earningsは「収益」という意味ですが、-ing形の名詞が複数形で使われる場合は、通常「結果」を表す場合が多いようです。たとえば、savingは節約することですが、savingsとなると、「貯金」になります。節約した結果が貯金とでも考えればいいでしょう。もっとも1ドルとか1セントを貯金とは言わないし、売り上げとも言えないわけですから、複数形になるのは当然と言えば当然ですが……。Since its peak in 2006, animation earnings have dropped off. (2006年をピークに、アニメ業界の売り上げは下降しています)

feeの意味としてたいていどの辞書にも「専門職への報酬」と載っていますが、「特別」に支払う「料金」とでも考えれば分かりやすいと思います。トラブルに巻き込まれなければ弁護料(a lawyer’s fee) は必要ないわけですし、健康で医者の世話にならなければ医療費(medical fees)も払う必要はないわけです。このように弁護料とか医療費は「特別」に支払う「料金」ですからfeeになると考えれば良さようです。また特急料金(express fee) は乗車券の他に特別にかかる料金ですから、これもfeeが使えます。もちろん受験料も受験のときだけ払いますからexamination feeになります。ところで、封建時代をfeudalistic ageといいますが、このfeudal、あるいはその元になるfiefとfeeは語源的には関係があるようです。fiefは封建領主の領土の意味ですが、そのfiefからfeeとなったもので、本来は小作料だったそうです。ともあれ、摂られるお金に違いはないですが。Regulars say the fee to sleep is a small price to pay to overcome exhaustion. (常連客たちによれば、睡眠をとるために払う料金は、極度の疲労を回復させることを考えれば、大した金額ではないとのことだ) 仮眠をとるための部屋代は特別に支払う料金ですから、feeが使われているわけです。

fightには 自動詞と他動詞があってどう使い分ければよいのか迷います。fight prejudice(偏見と闘う)とかfight discrimination(差別と闘う)などのように抽象的なものに対しては他動詞扱いが多いと解説しているのを目にしたことがありますが、fight for freedom「自由のために闘う」などのように抽象的な事柄であっても前置詞forを伴って自動詞扱いになる場合もあって、一概に具体的・抽象的でくくるのは無理がありそうです。The move is supposed to fight obesity. (この措置は肥満対策の一助になることを見込んで実施される) ここでのfight obesityは肥満をなくすための戦いということでしょう。さらに、Soda makers say they will fight the ban. (炭酸飲料メーカー各社は、この禁止条例と争う構えだと述べている) この文の場合も、条例をなくす闘いということです。この二文からわかるように、他動詞fight は何かをなくす戦いという風に捉えればよさそうです。一方、fight for の場合は何かを求めて戦う、といった感じでしょう。fight for independenceは独立を求めて戦う,fight for freedomは自由を求めて戦う、というわけです。 前置詞forは期待のforです。ところで、これは体育祭の時の出来事ですが、リレーに出場するALTに向かって、生徒たちが「ファイト」と声をかけたことがありました。声を掛けられた女性のALTは怯えていました。

incentive のcentは歌をうたうことで、もともとは歌を歌って人を引き寄せるというのがincentiveの意味だったようです。そこから「やる気を起こさせるもの」というような意味に転じたのでしょうが、同じ「やる気」を意味するmotivationとは対照的です。というのも、心の内側からやる気が湧いてくるmotivationに対して, 外側からやる気を起こさせるというのがincentiveのニュアンスだからです。Such a small bonus provides no incentive. (こんな少ないボーナスをもらってもなんの励みにもならない) この場合、文字通り、ボーナスの額がincentiveになっているわけで、ひょっとすると(あるいは多分に)仕事に生き甲斐を覚えているわけではないかもしれません。We are not eligible for local incentives. (私たちは現地の補助金を受けることもできません) このようにincentiveには、やる気を起こさせる「奨励金」の意味もあります。People are surprisingly rational, and people respond to incentives. (人は驚くほど理性的で、やる気をおこさせるものに反応する)

in the endは「結果」や「結末」、つまりendに重点を置いた言い方だと考えればいいようです。We had a lot of trouble with our house. In the end, we decided to move out.(センター試験より抜粋)この場合も結局引っ越したということを言いたいわけです。前置詞のinは、たとえばin short(要するに)とかin fact(実は)などのように、柱になる語 (in shortの場合のshort, in the endの場合のend) を強める働きをしているような気がします。一方、同じ「ついに」でもat lastとかat length の場合は「努力して達成する」ことに重点があるようです。She earned her diploma at last after six years in college. この場合、彼女は6年大学に通って、ついに学位を取得し、目標を達成したというわけです。

failには fail to function(機械などが機能しなくなる)という意味の自動詞があります。続いていたものが止まる、動かなくなる、といった感じです。「失敗する」も失敗した時点で動きが止まるーー大袈裟に言えば時間が止まるーーわけですから、failには動いているものが止まるというニュアンスがあるようです。ちなみに、failはfallの過去形のfellが二重母音化してfailとなったもので「落ちる」ことが原義だそうです。落ちて、役に立たなくなるのがfailと捉えればいいのかもしれません。The cooling system at one of the reactors failed. (原子炉一基の冷却システムが機能停止に陥った) It’s not yet known what caused the landing gear to fail. (着陸装置が作動しなくなった原因はまだわかっていない) このように何か重大な事柄に用いられることが普通だとのこと。ところで、「車が故障する」はthe car failedとは言わないで、the engine failedと言うのだそうです。実際に動いているのは車ではなく、エンジンだというのでしょう。

economic recession (景気後退) economic growth (経済成長) economic condition (景気) economic theory (経済理論)などのように、純粋に経済に関することに使われるのがeconomicです。一方、economicalは「倹約的な」「無駄のない」と言う意味で使われます。たとえば、economical housekeeping (家計の節約)とかeconomical car (燃費のいい車)といった具合です。形容詞語尾(名詞語尾でもありますが)の-alは性質などを表すことがあります。economyとはもともと家を管理することだったそうですから、お金や資源を無駄に使わない、あるいは慎重に使うということだと捉えればよさそうです。