A lot of people called him namesというと「たくさんの人が彼の悪口を言っていた」というような意味になります。直訳すると、「彼を(田中とか鈴木といった)名前で呼んだ」ということですから、なぜそれが「悪口を言う」という意味になるのかちょっと小首を傾げたくなります。「金子」とか「下島」とか、その本人に向かって実際の名前を呼んだところで、多分何の影響もないでしょう。そこでnameの語源を調べてみると、reputation (評判) の意味だったことがわかりました。nameの本来の意味は「評判」ということだったわけです。ネイムバリューという日本語にその本来の意味が残っているのは面白い現象です。その人の評価がつまり名前であって、名前がその人の評価になる。人のことを良く言ったり、悪く言ったりするときに「誰々さんは〇〇だ(例えば、天才だ、とかガキだ)」となどと言うのに近い気がします。とはいえ、call someone names は悪く言う場合だけに用いられるようです。一つしかない場合は、単数形でnameということもあるそうですが、普通は複数形だとのこと。おそらく多面的に人間を捉えようとするからでしょう。She would often call him names. (彼女はしばしば彼の悪口を言ったものだ)

時計を調整するはregulate a clockと言ったり、部屋の温度を調整するという場合には、regulate the temperature of a roomと言ったりします。このように、「調整する」という意味でregulateは使われますが、日常語でありながら、なかなか使い慣れない語の一つです。時計を調整する場合は、グリニッジ天文台に合わせなければならない(ならなかった)わけですし、 部屋の温度を調整する場合には設定温度に合わせなければならないわけでしょう。このように何かルールなり基準のようなものに合わせるという意味合いがregulateの基調になっているような気がします。People usually think of insulin in terms of regulating blood sugar. (インスリンというと血糖値を調整するものだと人々は考えがちだ) この場合は正常な血糖値に合わせると考えれば理解しやすいのではないでしょうか。Conservationists are calling on the central government to regulate restoration efforts. (自然保護活動家たちは中央政府に修復しようという動きを規制することを求めている) これは万里の長城の修復に関する記事ですが、この場合は決まり事とかルールがlaw (法律) に発展して、regulateするのは権威ある中央政府というわけです。このように日本語でいう「規制する」という意味がregulateにあるので、日常語として使いづらいと感じてしまうのかもしれません。語源的には、regulateのregはruleのことで、regulateはcontrol by rule、 つまり決まりとか法によってコントロールする、といった意味が原義のようです。

ボクサーが引退するなら、hang up one’s gloves, 作家をやめるなら、hang up his / her pen といった具合にone’sの次に仕事の象徴となるような道具などがきて、「引退する」といった意味で使われます。He hung up his basketball boots this year. (彼は今年バスケットボールを引退した) この場合、引退してもう履かなくなったバスケットシューズが外に吊るされたままになっているといった感じでしょうか。He is almost certain to hang up his goggles after 2020. (彼は2020年終了後に水泳選手を引退することはまず間違いない) 

go on in the same old rut は「10年一日のごとく過ごす」といったニュアンスで捉えればいいと思います。rutは「わだち」の意味です。語源的にはrouteと関連がありそうです。何度も馬車が通ってできたのが「わだち」です。そこを通れば楽に通れるわけですが、そこから外れると馬車は揺れて、へたすると横転してしまう。アスリートや力士なんかもまるでわざわいを避けるまじないみたいにさまざまなroutineを繰り返しますが、それも同じ轍を踏まないためなのでしょう。そんな風に思いを巡らすと、rutとrouteとroutineはなにやら深いつながりがありそうです。ともあれ、同じ轍を何度も何度もずっと通るということからgo on in the same old rutは「同じことをやって過ごす」といった意味で使われるようになったのでしょう。By the age of twenty nine, I had burned myself out. I was working, but it seems like I went on in the same old rut. (29歳までに、ぼくは燃え尽きてしまった。働いていたけれど、10年一日のごとく過ごしていたのだ)

「人気スポット」といった意味でhot spotが使われることがあります。寒いと暖をとろうと火のあるところに人々は集まってくるのでhot spotと言うのだと説明してくれたALTがいました。もっと面白かったのは、痒いところを何度も掻いているとその場所が熱くなる、そのように何度も出かけたくなる場所がhot spotの由来だと自信ありげに答えたアメリカ人もいました。いずれにせよ、hotには「何度も出かけたくなる」「何度も見たい」「人気がある」といった意味合いがあるようです。This is one of the local hot spot. (ここが地元の人気スポットです) さらに 活動的な意味合いが強くなると、熱いということから危険な場所といった意味にもなります。Researchers are trying to find radioactive hot spots where fishing may be unsafe. (捜査員たちは漁業を行うには危険かもしれない、放射線濃度の高い海域を見つけ出そうとしている)

have only to do ...は「~するだけでいい」という意味で使われます。 have toに副詞のonlyがついたものです。今日ではonly have to doの方が普通だというALTもいましたが、どちらでもいいような気がします。You only have to double-click on this icon to access the Internet. (インターネットに接続するにはこのアイコンをダブルクリックするだけでいい)(アドヴァンストフェイバリット)You have only to sit there. (そこに座っているだけでいい) have only to do /only have to doには「とにかくほかのことはしなくていい」という含みがあるような気がします。同意表現にAll you have to do is ~があります。上の文はAll you have to do is double-click on this icon to access the Internet.と言い換えることができます。

When it comes to clinical research, he has been around the block. という文は「臨床研究となると、彼はかなりの経験を積んでいる」といった意味になります。文中に出てくるhave been around the blockは「経験豊富である」「いろんな経験を積んでいる」というような意味で使われます。blockは石とか角材のことかと思ったら、街区のことみたいです。街をぐるぐる回っているうちにその土地のことに詳しくなる、ということから「経験が豊富である」といった意味に発展したのだろうと説明してくれたALTがいましたが、どうでしょうか? なぜ現在完了形で使うのかと訊ねたところ、経験をいうからではないかという返事がかえってきました。いわゆる現在完了の要素のひとつである「経験」を指すので現在完了が普通だとのこと。 The more you’ve been around the block, you do feel a responsibility to try to change things. (経験を積めば積むほど、物事を変えていくことに責任を感じるようになる)