keep ~in the dark は「秘密にしておく」といったニュアンスです。文字通り「~を暗闇の状態にしておく」ということから「隠しておきたいので告げない」といった意味に発展したのでしょう。There was an ear when people could be completely kept in the dark. (人々が完全に何も知らされなかった時代があった) ルネッサンス以前のヨーロッパ中世をDark Agesと言ったりしますが、知らされないことが多かった時代ということかもしれません。さて、国有地払い下げ問題は未だにすっきりしませんが、We have been still kept in the dark about the sale of national property.といったところでしょうか。

bureaucracyには「官僚制」「官僚支配」「官僚政治」といった意味の他に「煩雑な手続き」といった意味をもっています。トップダウンで指示なり指令なりが下りてくるのがbureaucracyであり、市民たちや現場の役人たちにその指令なり通知なりがたどり着くまで夥しい役人の手を通過するということから「煩雑な手続き」といった意味に発展したのでしょう。マックスウエーバーもそんな意味に発展するなんて思ってもいなかったんじゃないでしょうか。We need to reduce bureaucracy in the company. (わが社では煩雑な手続きを減らす必要がある) He quit his job because he was fed up with bureaucracy. (彼はお役所仕事に辟易して、仕事をやめた)

The party was in full swing.というと、「宴たけなわであった」みたいに訳されたりします。ブランコに乗っていると、まあ、だいたい、多くの人(特に子どもたち)はだんだんと揺れを大きくします。そして、ブランコがめいっぱい揺れている状態がin full swingだとのこと。そこから「最高の状態で動く」とか「真っ盛り」といった意味で使われるようになったのだそうです。The Consumer Electronics Show is now in full swing. (コンスーマー・エレクトロニクス・ショーが大変盛り上がっています)

サッカーやラグビーでボールを蹴って、つまり、ボールをキックして、足から離して(off) 試合を開始することからkick offが「はじめる」という意味になったのでしょう。名詞ではkickoffとつなげます。目的語をとる場合は、前置詞withを伴います。The company will soon kick off its ad campaign with TV commercials. (その会社はまもなくテレビコマーシャルで宣伝活動を始める)(コアレックス)このwithは、begin with (から始まる) などのwithでしょう。 Let’s kick off with a quiz question.  (クイズから始めましょう)  World  Curling Championships will kick off on March 17. (世界カーリング選手権は3月17日に始まる) この文のように何月何日にはじまる、といったようにある特別な日時や方法などに言及するときに多く使われるようです。

headquarters 「本部」「本社」という意味ですが、なぜか常に複数形です。集団のheadが集まっている場所ということから「本部」「本社」の意味になったのかもしれません。複数の部署や担当者が集まっている場所ということから、複数形で使われるのかもしれません。The company has decided to move its headquarters to Osaka. (会社は本社を大坂に移す決心をした)なお、Our headquarters are located in Nagoya. (本社は名古屋にあります) のようにheadquartersが場所に重点があるときには動詞は複数形 (ここではare)にあわせます。しかし、場所ではなく、本社としての機能とか方針とか働きなどを意味する場合には、単数扱いになります。Our headquarters is considering its fast-growing e-reader business. (本社は急成長している電子書籍事業を検討中である)

shake-upは「大改造」といった意味で使われますが、drastic rearrangementとかa large change in the way something is organizedといった説明が英英に載っていますから、街の光景が変わったといったような変化ではなく、組織などの改革といったニュアンスで用いられると捉えればよさそうです。なぜshake-upがそんな意味になるのか訊ねたところ、万華鏡をイメージすればいいとアドバイスしてもらったことがあります。つまり、万華鏡を振って(shake) 中を覗くと、以前と違った模様、「新たな形」が作られるというわけです。In his latest shake-up, he appointed a new finance minister. (今回の内閣改造で、彼は新しい財務相を任命した) There has been a bit of a surprise shake-up in UK politics. (イギリス政界にいささか驚くべき変化が起こった) There is a royal shake-up, this time in Saudi Arabia. (今度はサウジアラビアで王室の大変革があった)

get ~ on boardは「乗り物に乗って」という意味から、その乗り物に乗った一員として,つまり「グループの一員として参加する」という意味を持ちます。The first step is to get Mom on board. (まずお母さんを巻き込むことだね) He is not getting on board.というと(彼の同意をえられない)つまり「彼が乗り気じゃないんだ」といった感じ。日本語にも「話に乗る」という表現があります。The first campaign took four years to get Taco Bell on board. Second campaign took two years to get McDonald’s on board. (最初の運動では、タコベルを参画させるのに4年かかりました。2番目の運動では、2年かけてマクドナルドを参画させました)(CNN) これは米農業労働者たちが取り組んでいるフェア・フード運動に関する記事からの抜粋です。