the sky’s the limit を直訳すれば「空は限界である」となりますから、物事には限度があるんだと言う風に捉えられがちですが、実はその逆で、There is no limitという意味でこの表現は使われます空が限界ということは、空 (あるいは宇宙と考えてもいいと思いますが) はどこまでが空か分からない。あるいは空を遮るものなどない、ということから、「制限、限界がない」さらに「やろうと思えば何でもできる」という風な意味に発展したのでしょう。極めて逆説的な発想から生まれた慣用表現と言えそうです。You can bet any amount you want. The sky’s the limit. (きみはいくらでも賭けていいよ。制限なしだ) このように金銭について使われることが多いようです。When I was young, I felt that the sky was the limit. Now I realize that the dreams of my youth were just that ――only dreams. (若かりし頃は、人生に限界はないと感じていた。今や、青春の夢はやはりただの夢にすぎなかったのだと、つくづく思う) このように可能性について使われることも多いです。ちなみに、the sky’s the limitと短縮形で使われるのが普通ですが、the sky is /was the limitのように短く省略しないで使われる場合もあります。

relevant to は「~と密接に関係している」といった意味ですが、英英ではconnected with what is happening or being discussed と説明されてありますから、起こっている事柄や議論されている事柄に言及するときに使われるようです。つまり「人と関係している」という風には使われないということです。related to /withと同じような意味ですが、密接な関係がある、深いかかわりがある、というような場合に使われる気がします。Everybody in the office is relevant to your performance. (オフィスのスタッフ全員が業績に深くかかわっている) What you say is not relevant to the matter in hand. (あなたの言っていることは現在考慮中の問題には関連がない) この反意語がirrelevant toです。What you are saying is irrelevant to the problem under discussion. (あなたの言っていることはこの問題とは無関係です) おそらく物事や事柄との関係をいうので前置詞はtoだけになるのでしょう。ともあれ、relevant =importantとirrelevant=unimportantと 捉えれば分かりやすいのではないかと思います。

 slur「中傷」の意味があります。slurは「音符を続けて歌う、あるいは演奏する」という意味の音楽用語でも使われますが、音と音が切れないということから「不明瞭につづけて発音する」といった意味の動詞でも使われます。ところが他動詞として「けなす」「中傷する」名詞としても「中傷」「非難」の意味があります。どうしてそのような意味を持つようになったのかあるALTに訊ねたところ、たとえば酔っ払って舌がもつれるような話し方がslurのイメージで、そこからひそひそ話をするようなニュアンスが生じ、それが他者を非難している雰囲気に見られ、そこから、「中傷」の意味合いを持つようになったとのこと。日本人も酒が入るとやたらと同僚のことをねちねちと悪く言う、あまり一緒に飲みたくない人種がいますが、そんな風な流れでslurの「中傷」を捉えればいいのかもしれません。The slur took wings beyond the blogger’s usual readership. (中傷はそのブロガーの常連の閲覧者の間にあっという間にひろがった) People used to throw garbage at me, and they also used racial slurs. (ゴミを投げつけられたりしたものです。それに人種差別的な言葉も言われたりしました)

 a skeleton in the closet という成句は直訳すると「洋服ダンスの中の骸骨」といった不気味な意味になりますが、「世間に知られては困る内輪の秘密」といった意味で使われます。「誰かが殺されて洋服ダンスの中にしまい込まれている」という意味から「世間に知られては困る秘密」という意味になったのかもしれません。Many old families have a number of skeletons in their closets. (古くから続く多くの家は内輪の秘密をたくさん抱えている) このように秘密が多ければ複数になります。 I don’t want to keep company with that man. He has too many skeletons in the closet. (あの男とはつき合いたくない。秘密があまりに多すぎる) I had only known her for one week. How could I know what skeleton she had in her closet? (ほんの一週間しか彼女とつきあってなかった。どんな秘密を彼女が隠していたかなんてわかりっこないだろう)

skiは「おおう」の意味だと考えればいいでしょう。大地を覆うのがskyで、足を覆うように履くのがski(スキーの板、スポーツとしてのスキーはskiing), 肉体をおおうのがskin,といった具合です。skirtもそうでしょう。たぶん。skimはスキムミルクのskimですが、skimmed milk / skim milkといえば、私たちの世代は、小学校か中学校の給食でしばらく飲まされたものです。そのせいか、いささか親近感を抱く語です。そのskimも「おおう」という意味を持ちますが、確かに注がれてしばらくすると、ミルクの表面をおおうかのように被膜ができていました。そんなわけで、全体にざっと目を通す、といった意味でよく使われるskim throughをイメージするとき、つい、かつての学校給食に出された脱脂粉乳を思い浮かべてしまいます。Would you skim through the exam questions? (試験問題に目を通してくれませんか) Let me skim through that ad for a moment. (ちょっとその広告を読ませて) ちなみに、skirtのskがshになって、shirtとなると身体をおおうシャツになります。

prodemocracy protest 民主化を求める抗議運動」この場合のproは「賛成する」「支持する」といった意味で捉えればいいでしょうが、「民主化支持に抗議する」という風にまったく逆の意味に捉えられかねない危うさがあるので、「デモクラシーを求めて」という意味でproを捉えればいいと思います。1989 was the year of the Tiananmen Square crackdown, when hundreds of students were killed in prodemocracy protests. (1989年は天安門事件の年であり、そのとき数百人の学生が民主化を求める抗議運動で殺害された) 天安門事件を持ち出すと中国は内政干渉だと口を窄めて、臭いものにふたをしようとしますが、権力というのは、臭いものにふたをしたがる傾向があるようです。Hong Kong police arrested 12 people involved in pro-democracy protest.(香港警察は民主化を求める抗議運動に関与した12人を逮捕した) あたかも思想や意見であるかのようにdemocracyを「民主主義」と訳したのがまずかったのではないかと私は思っています。大正デモクラシーを大正民主主義とは言わなかったのですから、あえて民主主義などと訳さず「デモクラシー」でよかったのに、と思うのですが……。

ずっと輪郭がはっきりしないまま、もやもやしたままにしてある語にquotationがあります。quotationは「引用」という意味の他に「見積もり」という意味があって、見積もりというとestimationを思い浮かべるのですが、さて、どう違うのか、どのように使い分けるのかもやもやしているのです。どなたか詳しいかたがいたら、教えていただきたい。純粋にビジネス用語だということは分かっていますが、「引用」とどうつながるのかさっぱりわからないままです。製品やサービスを提供するのに、いくらかかるかを相手に伝えるというので、その金額を「引用する」ということでしょうか? たとえば、PCを購入しようとした場合、価格を客に伝える、つまり「書かれた価格」を引用するわけで、そこから「見積もり」という意味に発展したのかしら? あるいは、大きな買い物をしたい場合、家族の者 (既婚者ならば、特に妻なり夫) に値段を伝える必要があるでしょう。そのとき、店員に言われた価格を「引用し」伝えることから「見積もる」という意味が出てきたとのでしょうかね。Thank you for your quotation for 20,000 packs of your parts HK123. (本日貴社部品 HK1232万個お見積もりを頂きありがとうございました) なお、動詞のquoteには「値段を見積もる」という意味の他動詞があります。The commodity was quoted at ten dollars. (その商品の相場は10ドルだった) 参考までに、英英の解説を載せておきます。Estimates are your first thoughts on costs and can change drastically when you get further information, A quote (or quotation) is an exact price for the job being offered. As such it is fixed and CANNOT be changed once it has been accepted by the customer