take in~ :「~を理解する」「見物する」「取り込む」「~を受け入れる」などの意味で使われます。大学入試にも頻繁に出てくる成句といっていいでしょう。「理解する」という場合は、状況とか物事を取り込む、あるいは吸収するということから「理解する」という意味になったと考えればいいでしょうが、take into your brain(頭に入れる)が短くなったと捉えても面白いと思います。I didn't take in the lecture at all.(私はその講義がまったく分からなかった)(慶応)= I didn't understand the lecture at all.ということ。あるいはmake out (目にして理解する)を用いてI didn't make out the lecture at all. と言い換えることもできます。Every day the New York Times carries more information than a person in the 17th century took in in their entire life. (『ニューヨーク・タイムズ』紙には、17世紀の人が一生の間に得た以上の情報が毎日のように載っている) (CNN) この文のように情報や知識を取り込む、情報や知識を取り得れる、といった意味でも使われます。さらに、この句が受け身で用いられると「人をかつぐ」という意味に転じます。頭の中にtake in (入ってきて)して、その入ってきたものに惑わされるということから「かつがれる」という意味になるのかもしれません。いずれにせよ、「かつがれる」というのは、被害を表すので、受け身形になる、と考えればいいでしょう。She was taken in by his smooth manner of talking.(彼女には彼の柔らかな話し方にすっかりだまされた)(中央)また、「光景とか風景を取り込む」という意味から「名所などを見物する」という意味でも使われます。It’s a great city to take in the history, the art, and the pubs. (そこは、歴史やアート、そしてパブを訪れるのに素晴らしい都市です) He went on the grand tour to take in the incredible view. (彼は見学に行き、その素晴らしい眺めを堪能してきた) この句は使用範囲が広く「受け入れる」といったtake本来の意味に近いニュアンスでも用いられます。Japan is expecting to take in a record 19 million international visitors by the year’s end. (日本は年末までに過去最多となる1900万人の訪日外国人を受け入れる見通しです) 

take a hit :「特に自分ひとりだけが罰を受ける」「やり玉に上がる」このhitは「打撃」とか「損害」などの意味です。直訳すると「損害・打撃を受ける」となります。野球でヒットといえば、攻撃側にとってはいいことですが、守備側にとってはこまったことです。ここでのhitは守備側にとってのhitで、「損害」という意味になるわけです。ある外国人は、このhitはボクシングで打たれることだと説明してくれました。パンチをくらってふらふら状態になっている様子を想像すればいいとのこと。ただし、まだKOされていないのがtake a hitなのだそうです。Toyota sales have taken a hit in the last few years over safety issues. (トヨタの販売台数は安全性の問題で打撃を受けている)(CNN) He took a hit. (彼が、スケープゴートにされた)

take には「見解」「意見」という名詞があります。takeの基本的な意味は「動かないものを手に取る」「手を延ばしてものなり人なりを引き寄せる」ということのようです。そこから、名詞として「自分の(動かない)見解」という風な意味で用いられるようになったのでしょう。あるいは、写真を撮る(take a picture) というときのtakeと捉えてもあながち的外れではないように思います。いろいろなアングルから写真を撮るように、いろいろな角度からあるいはいろいろな視点からさまざまな意見が出てくるといった感じで「見解」の意のtakeをイメージしても面白いと思ののです。What is your take on those computer software commercials? (例のコンピューター・ソフトウエアのコマーシャルをあなたはどう思いますか) もっともopinionと違ってtakeは違った意見があることが前提で使われるようです。What’s your take? という場合、あなたは先ほどの人と違った意見を持っていることが前提になっているわけですが、日本は一般にまだまだひとと同じでなければいじめられるgroup-orientedの社会ですが、他者と異なることは決してネガティブではない、いやむしろ普通なのだ、という概念が日本人の間でも根付いて行ってほしいものです。

tackle :「取り組む」もうすぐワールドカップも終わりますが、ラグビーのタックルをイメージすればいいと思います。相手に向ってタックルすることから、何か一つのことに集中して取り組むニュアンスが出てきます。そんなことから、困難な仕事や問題などに非常に積極的に取り組むといった場合に使われると考えたらどうでしょうか。The nation states can’t do very much, so you need an EU to help nation states tackle these problems. (国民国家ではうまく対処できません。ですから、国民国家がそのような問題に対処するのを支援するためにEUが必要なのです) 世界がグローバル化して、国民国家という概念は希薄になっていくだろうと思う反面、根強いナショナリズムを感じることも多いですね。This week 193 countries at the United Nations General Assembly agreed to tackle one major threat. (今週国連総会において193か国があるおおきな脅威に立ち向かうことで合意した)

upside : 「上側,上部,上方」という意味の他に「利点」といった意味があります。advantageous aspectという説明が英英には載っていました。「有利な、有益な側面」といった感じでしょうか。もともとはupper side、つまり「上の方」ということですから、それが良い方、さらに良いこと、プラスになること、といった具合に発展していったのかもしれません。I think there is this enormous upside. (非常に大きな利点があると思います) There is no upside to it.(そこにプラスの要素はない)

sweep through :「知れ渡る」ほうきで掃くのがsweepですが、ほこりやごみはひと掃きでは掃除できません。なんども掃いて部屋の外へほこりやゴミを掃きだすわけです。それに似て、ニュースや話題はある地域で起こり、それがちょうどごみやほこりを掃きだすように、また別の地域へと移るということから、このような言い方をするそうです。次々と伝わる、といった感じですから、状況によっては「伝播する」という日本語を当てても面白いかなと思います。The news swept through the town. (そのニュースは町中にさっと知れ渡った) A change is sweeping through the agricultural industry. (農業にある変化が広まりつつある)

sympathize with ~ 「~に同情する」という意味だけでなく「~に共鳴する」という意味もあります。「 同情する」というのは相手の悲しみや苦しみに対して思いやる意味合がありますが、sympathizeは「思いを同じくする」という意味ですので、悲しみや苦しみだけでなく歓びも共にする場合にも用いられます。そのあたりが面白いなと思うのです。ベクトルが一方向だけではないというところが英語らしい、と。そこでsympathize withは「~に同情する」だけでなく「~に共鳴する、賛成する」の意味にもなります。 His parents did not sympathize with his hope to become a journalist. (彼の両親は、ジャーナリストになりたいという彼の希望には賛成しなかった)(明治大) withは「一致」とか「満足」なんかを示すwithでしょう。They understood and sympathized with my anger. (彼らは私の怒りを理解し同情してくれた)