convict:「有罪宣告をする」たとえば、The jury convicted the accused of murder. (陪審員は被告人に殺人罪で有罪の評決を下した) のように、convict A of Bの形かたちをとります。この場合、Bに犯した罪がきます。comは強調を示す接頭辞。victはvictory (勝利) などに出てくるvictで「支配する」「打ち負かす」といった意味だそうです。議論で打ち負かす、ということから、裁判などで有罪を勝ち取るといった感じで捉えればいいのではないでしょうか。Everybody knows who caused his suicide. But no perpetrators have been convicted yet.  (誰もが彼を自殺に追いやったのは誰か知っている。しかし、その犯人は未だに有罪判決を受けていない) 

a cappella無伴奏の」「無伴奏で」楽器の伴奏なしに歌うことですが、「アカペラを披露した」のように日本語にもなっています。副詞(アカペラで) でも形容詞(アカペラの)としても使われます。音楽に関する語は、フォルテッシモとかダカーポとかイタリア語が多いのは、近代音楽がイタリアで発達したからでしょう。アカペラもイタリア語からの借用語です。アクセントは外来語なので第一音節には来ません。[pe]の部分に来ます。アカラあるいはアカラのように発音されます。cappellaはchapelの意味だそうです。「礼拝堂風に」といった意味から発展した成句、つまりin the manner of the chapelとかaccording to the chapelという風な意味だそうですから、aは冠詞ではなく、簡単にいえばto / from のような感じがします。往時、教会音楽は無伴奏だった。最後の晩餐でもイエスと弟子たちは歌を歌ったとありますが、どんな歌だったのか興味をそそられます。イエスの声はバリトンだったのか、テノールだったのか、バスだったのか。ひょっとすると音痴だったかもしれません。楽譜なるものがなかったわけですから、譜面通り歌える歌えないは関係なかったでしょうから、音痴かどうかはさておき、彼は歌が上手かったのか下手くそだったのか、残念ながら新約聖書には書かれていません。ともあれ、あのコーランを読むときの独特の節回し(?)といい、グレゴリオ聖歌といい、宗教と音楽はどこか深いところで繋がりがあると言えそうです。I performed an a cappella version of “Amazing Grace.” (「アメリジング・グレイス」をアカペラで歌いました) They sang an a cappella Mass. (彼らはアカペラミサ曲を歌った)

zoom out 「縮小する」 たとえばスマホなどの画面を遠ざけて、縮小するときなどに使われます。そのとき、その場所なり物なりは縮小されますが、全体が見えてきます。そこから、「視野を広げる」といった意味でもこの句は使われます。因みに、日本語ではなぜかズームアップと言ったりしますが、ひょっとするとズームアップはclose upとzoom out が一緒になったのかもしれません。なお、反対に細かなところを見る場合にはzoom inとなります。この場合のinはin detail (詳しく)と考えればいいでしょう。I make it my business to zoom out as far as I possibly can. (私は可能な限り視野を広げることを旨としています) Zoom out and we find that hostilities between island nations and their continental neighbors is not unique to the Western hemisphere. (世界を俯瞰してみると、島国と近隣大陸国の間の対立関係は西半球に留まらないことがわかります) At the beginning of the movie, the camera zooms in to show the little girl waving goodbye to her friend going back to his parents’ home.(映画は帰省する友に手をふる少女がアップになるところからはじまります)

gravity「重力」とか「引力」といった意味の他に「重大さ」という抽象名詞があり、the gravity of the situation「事態の重大性」などのように使われます。ラテン語 のgravis(重い)が語根だそうです。悲しさを意味するgriefも同根語で、悲嘆にくれると心が重くなるので、gravityと語源が同じとのこと。なんとも人間臭い語ですね。そのgravityが物理学で使われると「重力」などとかなり無機質な意味に変わる。もっともそんな風に訳したのはわたしたち日本人ですが、griefの成り立ちを知ったら、何か別の訳はなかったのかと思ってしまいます。The gravity on the moon is about one-sixth of that on the Earth.(月面での重力は地球のおよそ6分の1です)The government should have much earlier predictied the gravity of this situation.(政府はこの状況の深刻さをもっと早く予測すべきだった)

introduce A to B/ introduce A into B 「AをBに紹介する」  何か新しいものを見せるのがintroduceのニュアンス。I introduced her to my parents.(私は彼女を両親に紹介した)I introduced my husband to my boss.(私はボスに夫を紹介した)このように、はじめて人を紹介する場合はintroduce A to Bとなります。ところが、 My friend introduced me to jazz.(友達がジャズを紹介してくれた)のようにものを紹介する場合にもこのパターンが使われます。が、そのような場合、前置詞intoを伴うこともあります。「人に新しい人・物を紹介する」というのがintroduceの原義ですが、紹介された物が広く行き渡るようなニュアンスを持つ場合にintoになるような気がします。そしてその場合、誰が紹介したのか不明な場合、あるいはわざわざ言わなくても誰かわかっているような場合、その人物を主語にせず、受動態になることが多いようです。A lot of Chinese culture was introduced into Japan during the Nara period. (奈良時代には多くの中国文化が日本に取り入れられた)(フェイバリット)Islamic studies are introduced into elementary school curricula.(イスラム教の教えが小学校のカリキュラムに導入されている)(The Japan Times)  Guns were introduced into [to] Japan by the Portuguese.(鉄砲はポルトガル人によって日本に伝えられた)ちなみに1543年、日本にいわゆる種子島を伝えたのはポルトガル人のフランシスコとダ・モッタさんだそうです。9世紀に中国で発明された火薬が巡り巡って鉄砲の発射薬として16世紀にヨーロッパから日本にもたらされたというわけです。中国人はせっかく発明した火薬を数百年もの間、いったい何に使おうとしたのでしょうか。不思議です。

all in all   「全体的に見て、概して」in allをさらにallで強めているのだろうと思います。「すべて合わせて」「すべて考え合わせて」といった意味。All in all, the convention was a success. (全体的に見て、大会は成功だった)We both thought that all in all it might not be a good idea.(概してそれはいい考えではないと僕たちは思った。前置詞 inはin English (英語で) などの「分野・限定・範囲」を示すinでしょう。All in all, it was a satisfactory meeting. (概して、満足のいく会議だった)

You bet 「もちろん」sure / Why not? / By all means/certainlyと同じような意味で用いられます。直訳すれば、「ぼくが引きうけるほうに賭けていいよ」ということですが、「もちろんいいよ」と快く引きうけるときに使われる、くだけた口語表現です。アメリカ英語じゃないかと思うのですが、はっきりしません。"Are you coming to my party?" "You bet. What should I bring?" (「ぼくのパーテイに来るかい?」「もちろん。何を持っていったらいいかな」) "Could you turn on the heater?" "You bet. It's getting cold here."(「暖房をつけてくれない?」「いいよ。寒くなってきたね」)