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   英国の詩人W.H.AudenはWords And The Wordの中で、individualとpersonについて次のように述べています。As individuals, we are countable, comparable, replaceable. (中略) As persons, we are uncountable, incomparable, irreplaceable. つまり、individualとは数えられる存在、比較される存在、交換できる存在なのです。一方、personは数えられない存在、比較されない存在、交換できない存在なのです。このように、individualとpersonは対極をなす概念なのです。出席番号順に並ぶのはindividual, 成績上位者順に張り出されるのもindividualでしょう。しかし、「心根の優しい人」とか「やる気のない奴」とかはpersonの領域でしょう。personとしてひとは自由に行動を起こし、personとして自分の行いに責任を取り、personとして他者と結びつく。一方、individualはたまたま生まれた社会の中で自由に選択できない人間の在り様を表します。学歴、身分証明書、健康保険証、受付番号、年金番号、囚人番号、マイナンバー制度、等々。私たちを取り巻く環境はpersonよりもindividualの方へ急激に偏ってきた気がします。