名詞語尾の-erは「ひと」だけでなく、「もの」も表します。たとえば、receiverという語の場合、人であれば「受取人」ものであれば「受信機」「受話器」といった具合です。紛らわしいmanufacturerも人であれば、「製造業者」ものであれば「製造会社」という風に考えればいいでしょう。ところでmanufacturerを「メーカー」とか「メーカーさん」などと私たちは言ったりしますが、考えてみれば面白いなと思うのです。「さん」は普通ひとを表す名詞語尾なのに「メーカーさん」というのは会社のことを指して用いることがあるからです。なんとなく英語の-erの使い方と一脈通じるところがあるような……。The manufacturers of snack foods say labeling foods could give consumers the wrong message. (スナック食品の製造会社によれば、食べ物にシールを張って分類することは、消費者に誤ったメッセージを伝える可能性があるとのことです) ともあれ、名詞語尾の-er (あるいは-or) は「ひと・もの」を表します。中でも間違いやすいのがforeignerでしょう。というのも、foreignerには「外国人」という意味の他に「外国製品」という意味があるからです。So empty is a shelf without foreigners. (外国製品がなければ、棚はこのように空っぽだ) ところで、Toyotaというと人名でもありますが、社名でもあります。ひととものが渾然一体になっているところは英語に似ています。もっともToyotaが創業者の苗字だと意識する外国人はおそらくいないのではないかと思いますが。