mention というと「言及する」といった訳語が当てられてあるので、何となくフォーマルな言葉だという気がしますが、Don’t mention it. (気にしないで。どういたしまして)とかNow you mention it. (おっしゃる通り) などの慣用表現でもわかるように軽い感じで言うのがmentionのニュアンスのようです。ですから、たとえば、Don't mention it.の場合、You don't need to mention it.(わざわざそれを言うことないですよ) が短くなったのではないかと思うのですがどうでしょうか。語根のmenはrememberとかmemoryなどに出てきますが、もともとment=mindということで、「心に話す」という意味が原義のようです。同根語にmental(精神の)とかcommentがありますが、「評論」「見解」の意味のcommentも「心に浮かんだことを言うこと」といった感じでしょう。Even the serious papers mentioned their divorce. (堅い新聞までもが彼らの離婚のことにふれた)(レクシス) なお、mention of ~で名詞としても使われます。The school board actually voted this week to remove mention of any religious holiday for the next school year. (今週、教育委員会が実際に決議したのは、来年度に関しては、一切の宗教祝日の表示を取り去るというものだった)