much of ~  は肯定文では使わないそうです。このmuchは「たいしたもの。重大なもの」という意味の名詞。make much of (~を重視する)のmuchと考えればいいと思います。muchが「量」を表す語ですから、前置詞のofはthousands of や a glass of などの数量や単位を示す語と一緒に使われるofと同じだろうと思います。つまりmuch ofで一種の形容詞と考えればいいのじゃないでしょうか。従って、言うまでもないことですが、much ofの後には名詞がきます。We think there won’t be much of a temptation to get rid of these little pets. (これらの小さなペットを捨てたいという気持ちはあまり起こらないだろうと思う) He is not much of a teacher. (彼は立派な教師とは言えない)I think he is not much of an artist.(彼はたいした芸術家ではないと思う) このように軽蔑的な意味合いを含むこともあるようです。否定文で用いられるのはmuchに比較のニュアンスが含まれるからかもしれません。いわゆる世間でいう芸術家とか教師とか、あるいはひろく普通の人たちに比べればそうではない、といったニュアンスがあるので常に否定で用いられるのではないでしょうか。ついでながら、似たような言い方の something of~は肯定文で使われます。thingが人を意味することがありますがsomethingにも「たいした特別な人物」という意味があります。cf. He is something of cook. (彼は腕のいいコックだ)  something of ~ は「ちょっとした~」と辞書にはあるので誤解されがちですが、ちょっとしたというからたいしたことないというのではなく、「すごい」という意味合いを含みます。