ときどきどうでもいいようなところにひっかかることがあります。「爪切り」もそのひとつです。「爪切り」ですから、nail cutterでよさそうですが、nail clippersと英語では言います。なぜ羊の毛を刈るはさみが「爪切り」に登場するのかずっと腑に落ちませんでした。nail trimmerとも言うそうですが、cutterとは言わないとのこと。先日、ふとそのことを思いだして、カナダ人の学生に訊ねたところ、爪を切る、というよりも爪の形を整えることがいわゆる「爪を切る」ことだと分かって、なるほどと思った次第です。――「爪切り」というからnail cutterでいいだろうと、いわゆる母語干渉を受けてしまうと、goryな感じになりそうです。 爪の形をきれいに整える、つまり「切りそろえる」ためには、爪を押さえぎみに、clipして切る必要があるわけです。 Can I borrow your nail clippers? (爪切りをかりていいですか) My tow-year-old granddaughter already knows how to use her nail clippers. (二歳の孫娘はもう爪切りが使えます) clippersと複数形になるのはscissorsとかglasses (メガネ) などと同じように捉えればいいでしょう。