spotは「特別な場所」というのが原義のようです。そこから「水玉模様」とか「しみ」などの意味に発展したのかもしれません。「油のしみ」はgrease spot, 「観光地」はtourist spotといった風にa particular placeを指します。このspotには、名詞以外に「見つける」という動詞があります。「見つける」といっても、spotは何かを探して見つけるというのではなく、偶然見つけるというニュアンスを持つようです。言われてみれば、服のしみなんかも探して見つけるものではないでしょう。偶然気づく感じです。Scientists have discovered the most earth-like planet ever spotted outside our solar system. (科学者たちは、太陽系外で発見された中では最も地球に似た惑星を発見した) このようにdiscoverは「探して見つける」感じがしますが、spotは違いなどに偶然気づくといった感じがします。Spotting it early and getting intensive training could help turn dyslexia around. (失読症を早期発見し、集中的な訓練を受けることが、失読症の好転に役立つかもしれません)(CNN) この文でのit=dyslexiaです。 You can spot a teacher by the way he/she speaks. (話し方で教師だと気づくものだ) 自分のことを「先生は……」などと「先生」を一人称使いするあつかましい(?) 先生もいますから。China’s state bank has released a chart to help people spot the fakes. (中国国営銀行は人々が偽札を見つけやすいように図表を公開した) このように「斑点」とか「染み」といった意味で使われていたspotは、なにか際だったもの、目立つものにシミ、つまり「しるし」をつけるという風に派生して、「見分ける」「すぐにわかる」といったニュアンスをもつ動詞に発展したのでしょう。なお「見つける」という知覚動詞として働くわけですから原形不定詞や現在分詞を伴うのだろうと考えてしまいますが、どうも現在分詞だけしか伴わないようです。たぶん、spotではのんびり見ているわけにはいかないからでしょう。When security staff spots people misbehaving, they call down to them. (警備員があるまじき行動をしている人物を見つけたら、その人物に向かって大声で警告を発する)ここでも、何か普通でない、particularなものに気づくというのでspotが使われているのでしょう。Mr. Evans spotted her cheating on the exam. (エバンズ先生は彼女が試験でカンニングしているのを見つけた) You need to learn how to spot phony information. (偽情報をすぐに見分ける方法を身につけることが必要です)