pay through the nose は直訳すると「鼻を通して払う」となりますが、「法外な金を払う」といった意味。起源に関しては、バイキングが税を払えなかった者の鼻を削いだことに由来するなど、諸説あるようですが、脅して金を搾り取るという意味のbleedから「鼻を通して」(through the nose) つまり鼻血 (nosebleed) が出るほど残酷な取り立てをするというニュアンスが生まれ、それがびっくりするほど高いという風に発展したようです。必ずしも金額が大きいとは限らず、普通の値段にくらべてすごく高いという場合に使わるとのこと。Beef is very expensive in Japan. You pay through the nose even for low-grade hamburger. (日本では牛肉はすごく高い。ちょっとしたひき肉を買うにもびっくりするほど高い金を払うことになる) We have to pay through the nose for funerals in Japan. (日本では葬式に法外なお金を払わなければならない) かつて、椎名麟三は「ひとは死にたくもないのに死ななければならない」しかも「死ぬとわかっていながら生きなければならない」と言いましたが、お葬式代をそろえておかなければ死ねないとなると、そんな「生と死」の不条理に浸っている余裕などなさそうです。