pass という単語は日本語にもなっているーーたとえば、ぼくは今回はパスします。とか試験にパスしましたとかーーので使いやすようですが、紛らわしいところもあります。たとえば、The bill will pass the Parliament today.というと「その法案は今日議会を通るだろう」といった意味で、passは他動詞で「法案を可決する」自動詞で「法案などが通る」という意味があります。もちろん議会を通ると考えれば、passが使われることに違和感は感じません。ところが、飲みに誘われたりしたときに断る言い方に使われるpassがあります。Oh, no. I think I’ll pass. I’ve got work to do. (う~ん、やめとくよ。仕事があるんでね) といった場合です。飲みに行こうという誘いを相手に渡す(pass)とでも考えればいいのかもしれませんが、さて、法案を通すときのpassと誘いを断るときのpassをどう捉えればいいのか考え込んでしまいます。なんとなくですが、passには「選ぶ」といったニュアンスがあるような気がします。法案を通過させる場合は賛否を問うわけで、誘いを辞退する場合も、どちらにするかを選択するわけですから。The statute was passed in our government. (法令が通過した) つまりその法案が採択されたわけです。Those unwilling to talk can pass. (話したくない人はパスできます) この場合も選択の自由があります。