たとえば、「10年のスパンで考えよう」などと私たちは言いますが、この場合、10年という幅といった意味合いで私たちは「スパン」という語を使っていると思います。つまり「スパン」という日本語は「広がる」あるいは「及ぶ」時間の意味で使っている。ところが、英語のspanの意味領域は時間の広がりだけでなく場所の広がりにも使われます。somewhere down the road でも触れましたが、このspanも時空が重なっていると考えられそうです。かつてspanについて訊ねたとき、橋をイメージすればいいですよとイギリス人のALTに教わったことを思い出します。彼によると、ある時点(あるいは地点)から別の時点(あるいは地点)までずっと広がる、あるいは長い橋のようにずっと続いているというのがspanのイメージなのだそうです。The empire once spanned several continents. (その帝国はかつていくつかの国に広がっていた) His career as a singer spanned three decades. (彼の歌手としてのキャリアは三十年に及んだ)