stand には「困難に立ち向かってがまんする」という意味があります。なぜ立「立つ」から「我慢する」に発展するのか訊ねたところ、何か重い荷物を持ってずっと立ち続けている様子をイメージするからだとのこと。You can stand anything, now that you stood so much. (これだけ耐えてきたんだから、もうなんだって耐えられるよ) さらに、standには「観客席」「観覧席」という意味があります。こちらは日本語にもなっていて、野球なんかでよく使われたりするスタンドです。通例 the standsと定冠詞がつくのが普通です。試合会場でのstandといえば、すぐに観客席だと分かるので定冠詞がつくのでしょう。問題は「立つ」という動詞がなぜ「観客席」という意味に発展したのかということです。観覧席には椅子が並べてあって誰でも座って試合を観戦しますからstandではなく、sitにーーsitに名詞形があればですがーーなりそうですが、かつてはみな立って観戦したのでstandが使われるのだそうです。確かにロンドンのアルバートホールなどは演奏者に最も近い場所では立って演奏を聴いています。あれなどはその名残なのでしょうか。The stands are packed with fans. (観客席はファンで埋め尽くされている)