talent :「生まれつきの才能」 古代ギリシャ・ローマで使われた、重量の単位を表す語タラント (talent) あるいはタラントン (talanton) に由来するそうです。金や銀の量を量る意味から「貨幣」の意味に発展し、さらに「才能に応じて貨幣を分け与える」という意味合から「才能」という意味にも発展したようです。He has a talent for drawing. (彼には絵の才能がある) この意味の源になったのは、有名な『マタイによる福音書』25章です。そのくだりをちょっと紹介しておきます。For it will be like that of a man going away, who summoned his slaves and committed to them his belongings: To one he gave five talents; to another, two, and to a third, one--- to each according to his own ability; then he went away. (天国は、ある人が旅に出るとき、その僕どもを呼んで、自分の財産を預けるようなものである。すなわち、それぞれの能力に応じて、ある者には五タラント、ある者には二タラント、ある者には一タラントを与えて、旅に出た)(Mathew 25) この後、一タラントを貰った男はそれを土の中に隠しておいたために主人にしたたか叱られたうえに、お金も没収されてしまう。怠け者は天国でも歓迎されない、とか、神から賜った才能を無駄にしてはいけない、とか、いろいろな解釈がなされるたとえ話ですが、マックス・ウエーバー風に言えば、これがピューリタニズムの原点になり、延いては資本主義社会を育てるエネルギーになっていったのかもしれません。