white lie 「罪のないうそ」 たとえば、招待を断るときなどに、他に約束があるからとか、実は親戚に不幸があったばかりで、とか、相手を傷つけないような嘘をwhite lieと言います。なぜ「白」なのかあるALTに訊ねたところ、pureなイメージがあるからだという返事を聞いていささかカチンときた覚えがあります。公民権運動でのThe Black Power Salute を思い出したからです。当時のオリンピックは商業主義や営利目的とは無縁でしたから、黒人選手たちは人種差別に対する抗議を表彰台の上でまさに人生をかけてpureに表現したのです。まあ、そんなことをふと思い出してしまったわけです。ともあれ、白には「善意」といったニュアンスがあるのでしょう。善意からあえて嘘をつくような場合がwhite lieと捉えればいいと思います。Tom told me that he loved Japanese anime, but it was a white lie. (トムは日本のマンガが好きだと言ったが、それは罪のない嘘だった) ちなみに「たちの悪い、悪質なうそ」をa black lieといったりします。Black lies, or telling a lie to gain a personal benefit, are universally condemned.(悪質な嘘、つまり個人的な利益を得ようとしてつく嘘はどういう場合でも非難されるべきだ) 昨今の「忖度」がらみの「うそ」ははたして、whiteなのかblackなのか。ところで、嘘はいくらでもつけますから、lieは可算名詞。つまり数えます。一方、真実はひとつですから、本当のことを言うのはtell the truthとtruthは数えません。