commitという動詞は、語源的にはcom=together+mitでできていますが、-mitはcatcher’s mitt (キャッチャーミット) なんかに出てくるmitでsend (送る) という意味です。ですから、たとえば、commit suicide (自殺をする) とか、commit murder (殺人を犯す) といったcommitは「過ちとか悪いことに自分自身を送り込む」ことになります。よく目にするbe committed to という成句はcommit oneself to の受け身形ですから、この場合も「何かの状況の中に自分自身を送り込む」と捉えればいいので、そこから「引っ込みのつかない約束をする」といったニュアンスで使われます。受身形ですからどこかに「被害」のニュアンスがある気がしますが……。さらに、何か大変な状況の中に送りこまれた、ということから「本気で物事に取り組む」といった意味合いにも発展していきます。The government must commit itself to disclosing the correct information to the public. (政府は正しい情報公開に取り組むと国民に約束しなければならない) 都合の悪い資料はすぐにシュレッダー (shredder) にかけたり隠蔽しちゃだめでしょう。The manager is very committed to reconstructing his restaurant. (店長はレストランのたて直しにやっきになっている) The company is committed to donating 50 million doses to the World Health Organization. (その会社は世界保健機構に5000万回分のワクチンを寄付することを約束しています) ちなみにcommittee (委員会) とは「法案を送り込まれたグループ」が原義です。