barrageはフランス語に由来するので発音はバラージュのようになります。普通矢継ぎ早の攻撃のことを意味しますが、barrageはbar (横木) と関連のある語だそうです。横木で敵の攻撃を防いだことからそのような意味になったとのこと。そこから敵に向かって前進する兵士を守るために次々と大砲を撃つといった意味に発展したのかもしれません。そして、a barrage ofという成句は「矢継ぎ早の」といった意味に派生したと考えられます。ちなみに、a barrage of somethingについてCambridgeはa great number of complaints, criticisms, or questions suddenly directed at someoneと説明してありますから、不平不満、批判などに使われることがわかります。フランス語に由来するのでa barrage ofは気取った言い方なのだろうと思い込んでいましたが、ALTに訊ねたところ、そうでもないとのこと。They had to face a barrage of questions over the fixed cash handouts. (彼らは定額給付金にかんする矢継ぎ早の質問に答えなければならなかった) 家にかへる時間となるを / ただ一つの待つことにして / 今日も働けり。(悲しき玩具)家に帰って妻やわが子に会うことを唯一の楽しみに、日々の労働のつらさを乗り越えようとした啄木の歌ですが、死を直前にして、文字通り命を削って創った彼の短歌に「悲しき玩具」というタイトルをつけた土岐哀果は、おそらくやるせなくて胸が痛かったでしょうね。これから労働の形態も変わっていくのでしょうが、妻や子を思う父親の気持ちに変わりはないでしょう。百姓の多くは酒をやめしといふ。/もつと困らば、/ 何をやめるらむ。これも啄木ですが、いつの世も民から奪うことしか為政者はやってこなかったような気がするのですが……。