pecking order 「上下関係」といったニュアンスで捉えれば理解しやすいと思います。サルにはボスザルがいて群れを統率していますが、もともとサルの集団にはボス的な存在は必要なかったそうです。いわゆる人間による餌付けが原因でひと様から食べ物を頂戴する習慣が身についたために競争社会が生まれ、その厳しい競争社会に秩序を与えるためにボスが必要とされたとのこと。豊かな自然さえあればサルさんたちは餌の不足に怯えることもなく、のんびり仲良く暮らしていた (いる) ことでしょう。人間はいろいろなところで罪作りなことをする存在なのです。自然を消滅させつつある主犯も人間ですから。さて、pecking orderはニワトリの社会で強者が弱者をつつく序列の意味から生まれた表現だそうです。ニワトリは非常に社会的な動物なんだそうです。ニワトリの社会では、おんどり同士が初めて遭遇すると、すぐにけんかをはじめます。お互いをつつき合うわけですが、最もけんかの強いおんどりから順に、餌、めんどり、ねぐらなどを優先的に獲得できる、一種の階層社会を作り上げる、つまり上下関係を定めるそうです。そういうニワトリのシステムを人間に当てはめた表現がpecking orderというわけです。They followed the pecking order. (彼らは序列にしたがった) He keeps a strict pecking order. (彼は上下関係に厳しい) Nobody wants to be at the bottom of the pecking order. (誰も序列の最下位にいたいとは思わない) それにしても、あんな狭い檻のようなところでロボットさながら日がな一日卵を産みつづけさせられているニワトリたちにとってはpecking orderもへったくれもないでしょう。