outcry 「叫び声」「悲鳴」などの意味の他に「激しい抗議」という意味を持っています。副詞のoutと動詞のcryでできた合成語ですから、大きな声で叫ぶ ,あるいは外へ向って叫ぶ、というのが原義でしょう。それが比喩的な意味を帯びて「激しい抗議」へ発展したと考えられます。a strong expression of anger and disapproval about something, made by a group of people or by the publicとCambridgeにはあります。怒り、不賛成、不満、などの強い感情や意思表示とありますが、特徴的なのは、made by a group of people or by the public, つまりそれが個人的なものではなく、大衆あるいは市民による抗議だという点でしょう。そのため、一時的なものではなく、持続的な抗議、要求、といったニュアンスで使われると捉えればいいのではないかと思います。There was an outcry last year over the limited options for people of color. (昨年、有色人種のための選択肢が限られていることに関して抗議が起こった) Civil rights movement (公民権運動) を引き合いに出すまでもなく、人種差別の問題はずっと続いていますから、ここではoutcryが使われているわけです。Despite international outcry against the practices and low demand, Japan’s fishery agency will permit 227 whales to be caught.  (捕鯨に対する国際的な抗議と鯨肉に対する需要の低さにもかかわらず、日本の水産庁は227頭の鯨の捕獲を許可している)(CNN) Commercial Whaling (商業捕鯨)の問題も三十年以上も続いている問題ですから、outcryというわけです。哺乳類の鯨を槍や銛で殺す日本の漁法は残酷だと言う人がいますが、原潜事故で通常の何十万倍もの高いレベルの放射能を出すことの方がもっと残酷だと、個人的には思うのですが……。