vested interest :既得権益」rightsを「権利」と訳したため、「権利」とは「自分の利益を守るための権利」と勘違いしてしまった日本人は他者を思いやらなくなったと言われます。誤訳というか訳語はこわいですね。vested interestはくしくも誤訳の「権利」--とあえて言いますがーーに近い気がするのですが、どうでしょうか。vestはラテン語のvestis(聖職者の着るベスト)が語源だそうです。そこから聖職者たちに与えられる「権限」とか「財産」といった意味に発展したらしいです。interestはinter (お互いの間に) +est(存在する)ということから、「心にあるもの」つまり「興味」となり、さらに「人と人の間にあるもの」ということから「利益」「利害関係」という意味に発展したようです。vested interestは「権限が与えられた利益」という意味から「既得権益」という意味で使われまが、せっかく手に入ったものを手放すものか、といった感じがするのですが……。Deregulation is not expected to progress rapidly because of the vested interests. (既得権益があるので、規制撤廃は速やかに進みそうにない)

verify : それが本当であるとか、その事実は正しいとか、あることを証明したり確かめたりすることを指します。この動詞はveryからできたと知って、いささか驚きました。veryには「まさに」という副詞がありますが、本来veryは「真実の」という意味だったそうで、そこから「まさに」という副詞へ転成したようです。He was the very man that we'd been looking for.というと「彼はまさに私たちがずっと探していたひとだった」といった意味になります。そのveryです。その「真実の」という意味のveryに動詞語尾-ifyがついて「立証する」「実証する」といった意味に動詞化されたのでしょう。The clerk needed to verify the signature with the one on the back of the credit card. (店員はクレジットカードの裏にある署名とその署名を照合する必要があった)

vicissitude :「変遷」「栄枯盛衰」語源的にはchangeとかturnと関連があるようですが、changeよりも高級な感じですから、「変遷」と訳せばはまるような気がします。語根のvic-はvice versa (逆もまた同じ) に出てくるviceで、換わることを意味します。vice-president は「副大統領」の意味ですが、大統領になにかあったときに交替できるのでviceをつけるわけです。1963年にケネディが暗殺されたとき、ただちに副大統領のジョンソンが機内で大統領宣誓をして、大統領に就任したことからもviceのニュアンスが理解できるのではないでしょうか。日本では、副首相なるポジションがあったりなかったりしますが、それはそれで、ある意味幸せなことかもしれません。5.15で犬養首相が銃殺され、2.26で多くの重臣が暗殺された歴史をわたしたちは持っていますが、たとえどんな背景があったにせよ、あのテロがその後の日本をおかしくしたのは間違いないでしょう。テロや暗殺から生まれるデモクラシーはデモクラシーではありえない。5.15や2.26のような事件は決して二度とあってはならないことです。We remain friends through the vicissitudes of 50 years. (ぼくたちは50年もの間いろいろなことがあったけれども今まだに友達同士だ) vicissitudeは個人的に好きな単語の一つです。Life is full of vicissitudes. (人生は波瀾万丈だ)

versus :「~に対して」日本語でも競技などでvsと記号化して使われています。The Giants versus Dodgersといえば、「ジャイアンツ対ロジュアーズ」となりますが、as compared to (~と比較して)という意味でも使われます。この場合にも「競争」(competition) のニュアンスがありますから、打ち勝ってという意味合いを含めて捉えればいいと思います。EU nations agreed to cut carbon emissions by at least 40 percent by the year 2030 versus 1990 levels. (EU各国は炭素の排出量を2030年までに1990年比で少なくとも40%削減することで合意した) この文の場合、1990年のレベルに打ち勝って、つまり1990年のレベルを超えて削減しよう、といっているわけです。ともあれ、このまま二酸化炭素が増え続ければ、地球は少なくとも人類の住めない、金星のような惑星になってしまうかもしれません。

velocity :「速度」乗り物を意味するvehicleと関係のある語のようです。厳密にいえば、velocity は方向を含む速さですから、ベクトルになります。ーー因みに、ベクトル(vector)も語根は同じで、「運ぶ」といった意味合いをもつようです。さて、speedは単なる速さですから、方向は考えません。at a velocity of 11 km/sec は「秒速11キロメートルの速度で」 という意味になりますが、日常生活ではよほどのことがない限り方向を考えた速度という考え方はしないと思います。at a speed of 11 km/secと同じ意味でat a velocity of 11 km/secで表現されるようです。もっとも、日常語はもちろんspeedでvelocityは特殊語扱いというか、かなりフォーマルな語だと考えればいいようです。

scorn:「(…に対する)軽蔑,さげすみ,あざけり」という名詞と「…を軽蔑する,さげすむ」という動詞があります。She scorned flatterers.(彼女はお世辞を言う人を軽蔑した)私は不器用な人間なので、お世辞が言えないし、今まで言ったことがありません。「巧言令色鮮し仁」という教えが身についていたわけではなく、ただ単に口下手なのかもしれませんが……。そんなわけで、お世辞が言える人はすごいなと思ってしまいます。さて、scornは簡単にいえば「嫌いだ」ということです。長崎弁では「嫌い」ということを「好かん」といいますが、微妙に音が似ています。形容詞はscornfulです。be scornful of …で使われることが多い気がします。He's scornful of honors. (彼は栄誉なんか軽蔑している)

up to date :「最新の」dateはtodayということ。つまり今日に接近している、という意味から「最新の」という意味になります。It is no longer up to date. (それはもはや最新式ではない) 合成語としてup-to-dateとなると限定用法の形容詞となり、名詞の前に置かれます。an up-to-date catalogue(最新のカタログ) These Internet sites will keep you up to date on computer technology.(これらのインターネット上のサイトを通してコンピューター技術の最新情報を得ることができる)(フェイバリット)