最低賃金のことをminimum wageといいますが、minimumはthe smallest amount or number allowed or possibleとありますから、可能な限り許される範囲での最小限の量や数ということになります。たとえば、市販の薬には15歳以上は一日に3錠以上とか書いてあったりしますが、そのときの3錠がminimumのニュアンスだと説明してくれたALTがいましたが、面白い思ったことをおぼえています。効果など現れる必要最小限の量や数がminimumだというわけでしょうが、minimum wageとかminimum age (最低年齢) などのように何か法的な基準とか社会的な取決めに言及するような場合にminimumが使われるような気もします。Call-center jobs can pay three times minimum wage or more. (コールセンターの仕事は最低賃金の3倍以上の給料がもらえる) 一方、minimalはvery small in amountという風に説明してありますから、単に非常に少ないという意味で捉えればいいようです。「損害を最小限に食い止める」というような言い方は災害のたびによく耳にしますが、どの程度が最小限なのかははっきりしません。なので、そういうときは、minimal damage といなるわけです。They insisted on minimal rights. (彼らは最小限の権利を主張した) このようにminimalにはこれといった尺度とか基準などはなく、ただ「最小限の。もっとも少ない」という意味しかない点でminimumと異なると考えればいいような気がします。ちなみに、rightsを「権利」としたのは大きな誤訳でした。rightsは道義的に正しい行いを指す語で、個人的な利害損得とは無縁だからです。多くの人がそれは道義的に正しいと認めたことがrightsということですから、「それは個人の権利だ」などという日本語はちょっとイレルバントな感じがします。ついてながら、maximalとmaximumもminimalとminimumとお同じように捉えればいいと思います。最高速度というと許される範囲、可能な範囲での速度ということですからmaximum speedということになります。