on the road :「出張などで旅行して」「旅行中で」この句が1878年に使用された記録があるそうですから(The Kenkyusha-Longman Dictionaryより)、かなり古くから使われていたことがわかります。アメリカ人のALTに訊ねたところ、roadのイメージはdirty and lonely(孤独な)なんだそうです。そう言えば、ジョンデンバーカントリーロードはどことなく孤独で哀調を帯びた曲ですね。さて、on the roadは「旅行中」という意味で使われますが、「仕事で旅行する」意味で使われるのは、遠い昔のsilk roadを連想させるからとのこと。シルクロードといえはヨーロッパ人の商人が中国へ旅する道だったわけですから彼らの文化に深く入り込んでいるのでしょう。I’ve been on the road for a few days. (ぼくは、二三日旅に出ていた) この文は今読んでいる小説からの抜粋です。主人公が離婚した妻に会いに旅に出る場面で使われている、どうということもない文章だったのですが、lonelyのニュアンスがon the roadにあることを知って主人公に対する読み方がちょっと違ってきました。そういうこともあって、on the roadは、なんとなく、孤独な響きを持つ成句だと言う気がしています。因みに、「急ぎの旅」の意味でon the expressway/speedwayとか言わないのか、と訊ねたところ、そんな表現はないそうです。He used to spend the summer holidays on the road. (彼は夏休みになると旅行に出かけていたものだ)