学校へは勉強に行くのでgo to school, 教会へは礼拝に行くのでgo to churchといった具合にschool もchurchも建物ではなく「勉強」とか「礼拝」といった目的を表すので無冠詞になります。ところで、”戦争に行く”もgo to warと無冠詞になりますが、このwarの本来の目的とはなんなのでしょうか。正義のため? 国民のため? 領土拡大のため? 国を救うため? 世界平和のため? 瞬時に何万人もの命を奪うため?  Bob DylanはBlowing in the windと歌っていますが……。 He had done two books on the Afghanistan war and the decision to go to war in Iraq. (すでにアフガニスタン戦争と、イラクでの戦争開始の決断についての本を彼は2冊だしている)

get a kick out of は 「楽しみを味わう」といった意味。kickは「蹴る」ですが、ここでは、a strong feeling of excitement and pleasure,つまり「興奮」とか「スリル」とか「愉快」の意味です。蹴って何が楽しいのかと考え込んでしまいそうですが、うれしかったリ、楽しかったりすると子どもは跳びはねます。つまり大地を蹴って(kickして)いるわけです。そんなイメージでkickを捉えたらどうでしょうか。I got a kick out of chatting together with them over drinking. (酒を飲みながら彼らとお喋りを楽しんだ) My family got a kick out of seeing the old photos. (家族は古い写真を見て大いに盛り上がった) 

 get started on~ は「~を始める」という意味で使われます。get startedと受け身の形になるのは、もう始められた状態にしようというのでしょうか。そこから急かす(あるいは急かされる)感じが出てくるのかもしれません。start withやbegin withなどのようにwithを伴うことはないのかとALTに訊ねたところ、小首を傾げていました。どうもwithとonとでは微妙にニュアンスが違うようです。You'd better get started on your homework now. (もう宿題を始めたほうがいいよ)たぶんだれも宿題はやりたくないものでしょう。そうであればこのonは負荷のonと考えればいいのでしょう。あるいはwork on(仕事、勉強などに取りかかる)のonと考えることもできそうです。動名詞を伴う場合には前置詞は落ちます。I really got started working on this kind of collaboration. (ぼくはこの類のコラボレーションに本気で取り組みはじめた)

have second thoughtsは 「考え直す」という意味で使われます。こうじゃないかああじゃないかとあれこれ考えるので複数形のthoughtsになるそうです。なんとなくsecondという語のイメージに引きずられて、最初考えていたことと違う別の考えだからひとつじゃないかと思いがちですけど、考えてみれば、考えが一つしかなければ再考する必要もないわけです。そういうわけでsecondと序数であっても、考えが定まらないから定冠詞がつかないのでしょう。We are having second thoughts about sending my son to the boys’ school. (私たちの息子を男子校にやろうかどうか考え直しているところだ) “When are you going to get your new car?” ” I’m having second thoughts.”  (「新車はいつ買うつもり?」「考え直しているところさ」)

I am no match for her in cooking. (料理では彼女にはとてもかなわない) You are absolutely no match for him. (君はどうあがいても彼にはかなわないよ) USA was no match for Argentina, losing 4-nil. (米国はアルゼンチンに歯が立たなかった。4対0でゲームを落とした) no match for~は一方的に勝ち進むので「試合にならない」ということから生まれたそうです。このmatchは名詞で「競争相手」ということ。つまり「競走相手にならない」というわけです。なお、日本語でも相手にならない、という風に否定形で使いますが、その点は英語も同様です。この成句もno matchと否定でしか使われないとのこと。

get a breakというと「幸運をつかむ」といった意味で使われますが、ここでのbreakは「運・機会」の意味。日本語でも歌手などがブレイクしたなどと使いますが、そのときのブレイクに近いと思います。このbreakはビリヤード(アメリカではpoolとも言います)をイメージすればいいとのこと。玉突きは集めた球を弾くことからゲームを始めますが、そのときの球がどんな風に弾かれるかで勝敗が大きく左右されます。そこからbreakが「機会」「運」といった意味に発展したのかもしれません。He finally got a break. (彼はやっと幸運をつかんだ) She worked part-time in central Tokyo, hoping to get a break in show business. (彼女は芸能界でチャンスを掴みたいと思って、都心でアルバイトをした) なお、getは大変なものを努力して捕まえる(あるいは得る)というのが基本的な意味です。

When it comes to golf, my son has the upper hand over me. (ゴルフに関しては、息子にはかなわない) The invention gave the company the upper hand in the industry. (その発明のおかげで、その会社は業界で優位に立った) このように競争している相手に対して優位に立つという場合に使われるのがhave the upper handです。upper handと単数なのはどういうわけかと訊ねたところ、upper handというと、lower hand(?)も同時にイメージするのだそうです。つまり上と下それぞれ片手ということから単数になるようです。両手だと、つまり複数だと、上の下もなくなってしまうというわけです。