take effectはgo into effectやcome into effectと同じだと言われていますが、若干使い方に差異があるようです。規則とか法律などが効力を発する、という意味では、take effectもcome [go] into effectも同じですが、take effectには薬などの効果が出てくるといったような、意図した結果が出てくるといった感じで使われることがあります。A lot of drivers were protesting outside the ministry of transport as the suspension took effect. (営業停止が実施される際に運転手たちが運輸省の前で抗議していた)  Please relax for a couple of hours until the pills take effect. (薬が効いてくるまで、二三時間楽にしてください) この意味ではcome [go] into effectは使われないようです。

hapless (不運な) はhappy+lessだと説明してくれたALTがいました。happyもhaplessもともにhap-からできています。hap-はhappenなどに出てくるようにchanceを表す語ですから、たぶん「幸せ」とは「運」によるところが多かったのでしょう。We saw the ruins of these hapless cities after the big earthquake. (大地震の後、わたしたちは不運なこれらの街々が廃墟に帰した様を眼にした) なお同意語のunfortunateとの違いを訊いたところ、haplessの方が「本当に不幸な」ことを意味するということでした。really unfortunate=haplessということでしょうか。ちなみに、fortunate (幸運)は「財産」という意味も持っています。財産もまた幸運に恵まれて築くことができると彼らは考えているのでしょう。だから、noblesse oblige (ノブレス・オブリージュ) の精神が生まれたのかもしれません。

give up on ~ は「~を諦める」という意味ですが、「見込みがない」とか「見限る」という日本語に相当する気がします。Some towns in Canada are being flooded with mostly African refugees who have given up on their asylum claims in the United States. これはCNNに載っていたもので、アメリカからカナダに多くの難民が押し寄せているという内容の英文ですが、亡命申請を諦めるというところにgive up onが使われています。アフリカの難民たちはアメリカに亡命できるだろうと思っていたのでしょう。それがかなわなくなったというわけです。このように、何か期待を抱いていたことがダメになったといった場合に用いられるような気がします。Mr. Tanaka gave up on the puzzle after working on it all afternoon. (田中さんは午後いっぱい使ってパズルをしていたが、あきらめた)この場合も、これくらいのパズルなら解けるだろうと田中さんは思っていたわけですが、やってみるとダメだったというわけです。「見切りをつける」といった感じがします。She gave up on her study of Chinese. (彼女は中国語の勉強をやめた) この場合も、彼女は語学の才能があるとでも思っていたのでしょう。ところがどうもうまく行かない。そこでやめたというわけです。ですから、onはon the way (途中で) の onかもしれません。なお、give upは完全にやめる。もうやらない。といった感じで捉えればいいと思います。

centrallyというと、いろんなことがある中心に向かって集まっている感じがしますが、逆に、その中心からいろんなこと・ものが出ている、一つの中心によって全体が統一されている、つまり「一元的に」という意味でとらまえなけければ意味をなさないことがあります。英英にはfrom one main placeとありました。中心となる本部[中央]で組織のすべての活動を管理する,といったような場合に用いられるようです。More than 1,000 Russian athletes were involved in a massive doping conspiracy. And, crucially, it was centrally organized. (1,000n人以上のロシア人アスリートが大がかりなドーピング計略に関わっていた。そして決定的なことは、一元的に組織化されていたということだ)

日本語でスパイクというとサッカー選手とか野球選手など、アスリートたちが履く靴底のスパイクのことをいいますが、英語のspikeには、そのような意味の他に、売上などの「急上昇」を意味することがあります。先の尖ったスパイクのイメージからこのような意味になったようです。ただし、釘の先が下向きではなく、上向きに尖っていることから「急上昇」を意味するようになった、というのが面白いなと思います。わたしたち日本人はスパイクというと地面に刺さるものというイメージがあって、下向きのものとして捉えようとすると思うからです。ベクトルが前後左右自在に動くのが英語の語句の特徴の一つかもしれません。 Amazon is suddenly seeing a sales spike for one particular book: 1984, by George Orwell. (アマゾンで突如、売上を伸ばしている一冊の本がある。ジョージ・オーウエルの『1984』だ)

improviseは 「即興的につくる」と言う意味。im=in(=not)+pro(前に)+vise(見る)から出来た語です。 viseはカエサルの有名な言葉、veni, vidi, vici (来た、見た、勝った)に使われているvidi(videre)が語源だそうです。「前に見ない」「前もって見ていない」「前もって準備していない」そこから「即興でつくる」という風になったのでしょう。Louis improvised a jazz tune on his trumpet. (ルイはトランペットでジャズの曲を即興でつくった) We had the actors improvise. (私たちは俳優たちに即興で演じてもらった)

「求人広告」のことをhelp-wanted ad.と言ったりします。ちょっと乱暴ですが、和製英語風に捉えると、雇う側はI want help、雇われる側はyou are wanted、それらを一緒にしたものがhelp-wantedだと考えればいいかもしれません。She intends to apply for a help wanted advertisement that she saw in the newspaper yesterday. (彼女は、昨日新聞で見た求人広告に応募するつもりです)あら