絵画とか工芸品などの作品が展示されるというときに、go on display という言い方をします。たとえば、「ゴッホの作品がさいたま市で展示されます」と言いたければVan Gogh’s works will go on display in Saitama City.といった感じです。ところで、 この句で気になるのは、goです。ヴァン・ゴウの絵はアムステルダムから来るわけですから、come on displayとならないのかとALTに訊ねたところ、comeは使わないということでした。なぜgoを使うのか重ねて訊ねたところ、分からないとのこと。仕方がないので、go to the museumとかgo to the city hallとかなにか場所を補ってみるしかなさそうです。たとえば、Dresses and jewelry are going on display at Buckingham Palace.(ドレスや宝石類がバッキンガム宮殿で展示されます)の場合、 ドレスや宝石がバッキンガム宮殿に出かけていくのでgoだと考えたらどうでしょうか。なお「展示されている」という場合にはbe on displayとなります。Sculptures by local and international artists are on display here. (地元や海外の芸術家による彫刻が展示されている)

heartに動詞語尾の-en (「作る」「する」といった意味)がついたものがheartenです。心臓とは直接関係なく、「励ます」という比喩的な意味でしか用いられません。心を強くするということでしょうか。同じ意味の動詞にencourageがあります。こちらもcourage (勇気)に動詞語尾enが付いたものです。ただしこちらは前にenが付きます。なお、一説には、本当のような嘘のような説ですが、heart (こころ) は、神、つまりHeが作った最高の芸術ArtだからHeartなのだそうです。The manager tried to hearten up the players. (監督は選手たちを励まそうとした) 

軌道に乗るという場合、in orbitと言います。星のまわりを回るわけですから、固定した軌道を考えてonのように思えますが、inを用いるそうです。ロケットが地球から出て月とかその他の軌道に入るのでinを使うんだそうです。あるいは、ロケットは軌道を回って動いているから「従事・活動」のinと考えることもできそうです。A number of satellites are in orbit around the Earth. (たくさんの衛星が地球の周りの軌道を回っている)

healthy はビジネスの場面では、「有益な」という意味で使われたりします。健康だというと病気をしていないと考えがちですが、心身のバランスがとれているということがhealthyの原義だそうです。とはいえ、よく食べる、というイメージからよく消化する、そして、よく売れる、そんなニュアンスでhealthyを捉えたらどうでしょうか。あるいは、心身のバランスということから、天秤にかけてどちらが有益かを見るというような発想に繋がっていくのかもしれません。I think it’s healthy for what you are doing. (あなたがやっていることは有益だと思う) Thanks to increased sales, we'll have a healthy profit this quarter. 売り上げが伸びたおかげで、この4半期はかなりの利益が上がりそうだ。)

The government policy had no effect on the inflation.というと「政府の政策はインフレに効果がなかった」といった意味になります。have an effect [influence] on~で「効果がある」「影響を与える」といった意味ですが、前置詞onには、何か押さえつけるニュアンスがあるように感じます。たとえば、この文の場合でいえば、政府はインフレを押さえつけるような政策を打ち出せなかったという風に。あるいは、押さえつけられて反発することで効果を上げる、とも考えられそうです。The new medicine had no effect on that disease. (新薬はあの病気にはきかなかった)この場合も、病気を跳ね返す効果がなかったと考えることもできるでしょう。因みにinfluence, はどちらかといえば間接的な影響に用いられ、effectの方は直接的な影響に用いられることが多いようです。ですから、「喫煙は健康に悪影響を及ぼす」というような場合には、Smoking has a bad effect on your health.とeffectを使えばいいでしょう。なお日本語では「影響を与える」といいますが、英語ではgiveは使われないようです。haveになります。母語干渉に気をつけなければならない成句の一つでしょう。

turn the tablesは字句通りには「テーブルを回す」ということですが、「形勢を一変させる」という意味で使われます。この表現は昔チェスなどのゲームで、どちらかが一方的に勝ち進んでいる場合、試合を面白くするため、途中でテーブルを半回転して、強者と弱者の立場を入れ換えた習慣に由来するそうです。「強者と弱者、優と劣の立場を逆にする」というわけです。ここでのtablesは相互複数の感じがします。握手をするをshake handsと複数にするのと同様に、チェスをやるにも相手が必要ですからtablesと複数になるのではないでしょうか。With one hit we can turn the tables. (一打逆転のチャンスだ)

hard-pressed は直訳すれば「強く押されている」ということですが、時間的にも金銭的にもせっぱつまっている状況に直面しているときに使われます。おそらく、押しつけられて身動きがとれない、といったところからこのような成句になったのではないでしょうか。They are hard-pressed to tie the game up. (彼らは試合を同点に持ちこむのに苦労した)Financially hard-pressed hotels are lowering their prices.(経営の逼迫しているホテルは料金を下げている)