in terms of ~ は個人的には使い勝手のいい、便利な言い方だと思っています。 「~の点から」とか「~に関して」といった意味で使われますが、termは(たとえばterminalもそうですが)語源的には「限界」とか「境界」の意味。そこで言葉に関していえば語と語の「境界」、つまり「定義」さらに「表現」の意味に発展し、時間に関しては「期限」とか「期間」の意味を持つようになったと考えられます。in terms ofで「~の言葉(定義)で」ということから「~に関して」というふうにとらえればいいでしょう。The city is very important to this country in terms of trade and industry. (ロンドンのシテイは貿易および産業の点からこの国にとってきわめて重要です)termsと複数になるのは、さまざまな側面からという含みを持つからです。この場合、貿易と産業の点からもその他の面からもシテイは重要だというわけです。厳密に貿易と産業の二つの点だけでシティは重要だと言っているわけではないと捉えた方がいいと思います。 

the jury is still out という言い方が大学入試に出題されたときには、さすがにやりすぎじゃないかと思いました。まあ、入試にはなんでもあり、ということでしょうか。「評決はまだ出ていない」ということから「結論がでていない」といった意味合いで使われます。評決が決まれば陪審員たち(jury)が法廷に入ってくる。それがまだ外にいる(out)というところから、評決がまだ出ていない、結論がまだ出ていない、結果がまだ出ていない、といった意味になるのでしょう。While some schools have seen improvements, at Chelsea High, the jury is still out.  (一部の学校で改善が見られる一方、チェルシー高校では結論はまだ出ていない)(CNN) なおjuryは陪審団、ひとりひとりの陪審員はjurorといいます。

前回ふれたkeep an eye on~などのeyeは名詞ですが、eyeには「目をつける」といったニュアンスの動詞もあります。Cambridgeで引くとto look at someone or something with interestとありました。つまりwith interest (興味をもって) のところがeyeの特徴と捉えることができそうです。ただやみくもに見るのではなく、手に入れたいと思って目をつけるといった感じでしょうか。したがって、The head of the department is being eyed suspiciously. (局長は疑いの目でみられている) のようにネガティブな意味合いでも使われます。 Younger Kennedys may be eyeing public office. (もっと若いケネディ一族も公職を見据えているかもしれません)(CNN) この場合、ゆくゆくはJFKのように大統領を狙っているのかもしれない、というのでしょう。このように、自分が手にいれたいものに目をつけるのがeyeと捉えればよさそうです。

keep an eye on ~ 「~から目を離さない」「~を注意してみる」)の onはfocus onのonでしょう。いわゆる「集中」を表すときのonでしょう。 Keep an eye on the movements of the enemy troops. (敵軍の動きを監視せよ)単数なのはhave an eye for~と同じですが、何か目が特別な働きをするというよりも、目を一点に集中させることから単数形が用いられていると考えればいいのではないかと思います。Could you keep an eye on my baggage for a minute? (少しの間私の鞄を見ていただけますか) Will you keep an eye on the baby while I go to get a drink? (飲み物を買ってくる間、赤ちゃんから目を離さないでね)

日本語で「ライブ」というと「生演奏」とか「生放送」といった意味で使われたりします。たとえばライブハウス(これは和製英語でしょう)というと生演奏をやっているところを普通指すようです。英語のliveは「生演奏の(で)」とか「生放送の(で)」などの形容詞や副詞の意味でも使われます。ひとや動植物が生きていることをliveはあらわすわけですが、実際に今目の前で生きているということから、実際に今行われているという意味に発展したと考えられます。A tennis player has been kicked out of the French Open for inappropriate behavior towards a reporter live on TV. (あるテニス選手が全仏オープンから追放された。テレビの生放送中にリポーターに対して不適切な言動があったためだ)

by all accounts は「誰に聞いても」「みんなの話では」といったニュアンス。簡単にいえば、by all explanationといったところでしょう。From what everyone is sayingと説明してある英英もありました。He was 88 years old and, by all accounts, quite a legend. (彼は88歳だった。そして誰に聞いてもまさに伝説的存在だった) By all accounts, it is unfair. (誰に聞いても、それは不公平だろう)

hold waterは「(説明などが)理にかなっている」というような場合につかわれます。通常否定形で「筋が通らない」という意味で用いられることが多いようです。「話」を「容器」に見立てて、「容器(話)が水を漏らさない」から「話などの筋道が通る」といった意味になるのだそうです。その容器(話)に穴が開いている、あるいは傷があって水漏れしている、という発想から否定文で用いられることが多いのかもしれません。This theory doesn't hold water. (このような理論は通らない) He spoke a lot, but his argument didn’t hold water. (彼は大いに発言したが、彼の理論は筋が通っていなかった) ところで、waterに所有格がついて、たとえばhold your waterとなると、「トイレ(おしっこ)を我慢しなさい」という意味になります。この場合、水は水でもあなたの特別な水ということなのでしょう。