(the) odds are (that) は英英ではIt is very likely or probable that something will happen.のような説明が載っています。イギリス人のALTに訊ねたところ、可能性としては50%以上とのこと。もともとoddsは掛け率を意味する語ですから、可能性としては、五分五分、つまり50%くらいを指すのだろうと思っていたのですが、確率としては高いニュアンスで使うと聞いていささか驚きました。もっとも彼らは物事をポジティブに捉えようとする傾向がありますから、50%以上と捉えるのかもしれません。この成句は今では定冠詞を省略してodds are ...とすることが普通のようです。とくに話し言葉ではその傾向が強い気がします。またoddsと複数形にするのは、いろいろな可能性があるからだと捉えればいいでしょう。The odds are that it will be a nice day today. (多分今日はいい天気だろう) Odds are you’re carrying some around in your pocket or handbag right now. (きっとあなたも今、ポケットやハンドバッグの中にコバルトを持ち歩いているでしょう)(CNN)電気自動車にコバルトが不可欠だという記事からの抜粋です。

step by step 「一歩一歩着実に」簡単なもの(easier step)から順に難しいもの(harder step)へというニュアンスがあるのだそうです。畳語(単語を反復して作られたもの)なので無冠詞。little by little, day by dayなどと同じです。このbyは「ずつ」を示しbyでしょう。She is making progress in English step by step.(彼女は少しずつ英語が上達している) The town is recovering from the typhoon little by little. 台風の被害に遭われた方々は意気消沈していらっしゃるでしょうが……。

stem from~はto start or develop as a result of somethingとCambridgeにはありました。何かの結果として生じるということから 「~から生じる」「~に端を発する」などと訳されています。stemは茎のことですが、茎から花や葉が出てくるわけだから、stem from~で「~に由来する」「~から起こる」という意味になったのでしょう。The steep increase in Japanese assistance stemmed largely from a plan which provided $3.3 billion to help Asian countries. (日本の援助の急激な増加は、アジア諸国を手助けするために33億ドルを提供する計画に大部分由来する)(青学)The decision to abolish this flat tax apparently stems from protests over rising costs in government-imposed fees. (この一律税制を廃止する決定は、政府によって課されたさまざまな納付金の値上がりに対する不満を受けてのものと見られる) この文のようにfrom以下はある事件が起こった「原因」「理由」に重点があるような気がします。

stay put:「そのままでいる、動かないでいる」ここでのputは過去分詞。「置かれたまま(put)でとどまる(stay)」ということから「そのまま動かないでいる」といった意味になったのだそうです。簡単にいえば、stay thereあるいはdon't move awayといったところ。Please stay put while I buy the ticket. (切符を買ってきますからここにいてください)  この文のようにstayのイメージはじっと動かないでいるといった感じです。The man who’s become the poster boy for the no-pain-no-gain economic and financial policies is staying put. (痛みを伴わなければ得るものもないという経済財政政策の象徴となっている彼は、留任が決まった) You stay put until I get home. (ぼくが帰るまでじっとして待っていろ)

station  :「駅」「放送局」「持ち場」などいろいろな意味を持つ語ですが、じっと立っていることがstationの原義です。そのじっと立っているところから何かのサービスを提供するところと捉えればいいのかなと思います。ガソリンを提供するのがa gas station、(なぜか日本語ではガソリンスタンドという) 電力を提供するのがa power station発電所)テレビ番組を提供するのがa television station(放送局)といった具合。ゆくゆくはspace stationもできるのでしょう。さらに、立って仕事をしている場所ということから「持ち場」という意味でも使われます。The guard frequently has to leave his station to show them around the building. (警備員が持ち場を離れて、ビルの中を案内しなければならないことがよくあります) また、動詞になると「駐在させる」「配置する」といった意味で使われます。この場合「(その場に) 立たせる」という意味合から、必要な場所、あるいは特別な場所に立たせて、そこで仕事をさせる、とでも捉えたらいいかもしれません。He was stationed as a section chief in London. (彼は課長としてロンドンに駐在した)

  start up :「事業などを始める」これもstartに関する成句ですが、startにupをつけて、新しく始めるというニュアンスになります。このupはshow up (見せびらかす) などの「出現」のupやgrow up (成長する) などのupといった感じでしょう。 She will start up a chain of vegetarian fast-food restaurants. (彼女はベジタリアン向けのファストフードチェーンを立ち上げるつもりだ) この文のように「商売を始める」意味でよく使われるようです。ちなみに、コンピューターを「立ち上げる」と私たちはいいますが、これはstart upをそのまま日本語に直訳したものかもしれません。詳しくは知りませんが、なんとなくそんな気がします。ところで、startupとupをくっつけて合成語にすると「会社の新設」「操業開始」「事業の立ち上げ」といった意味で使われたりします。This is what I learned, doing startups. (これはわたしが新規事業を立ち上げていく中で学んだことです) They are looking to take companies from start-ups to tech superstars. (彼らは振興企業をテクノロジー界のスーパースターに育て上げようとしている) この文のようにハイフンをつけているものも見かけます。A Mauritius-based start-up actually beat Apple to it. (モーリシャスに本拠を置く新興企業がアップルを出し抜いた)(CNN) startupがあるなら、事業を閉じるとう風な意味で、startdownもあるのではないか、と訊ねたところ、ないそうです。英語はnegativeな考え方をせず、あくまでpositive嗜好 (?) だという気がしました。

start from scratch :「最初からはじめる」「ゼロから出発する」この成句に登場するscratchはもともと競技の「スタートライン」のことだったそうです。たぶん棒切れか何かでスタートラインをひっかいた、つまり引いたことに由来するのではないでしょうか。このようにstartはbeginと違って「動き」を伴うイメージが強い気がしますが、どうでしょうか。Starting from scratch, Mr. Jones became president of the nation’s largest mining company. (裸一貫からはじめて、ジョーンズ氏は国一番の鉱山会社の社長になった)(Modern American Colloquialisms)