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zero in on 「ねらいをつける」「集中する」第二次大戦のときに、照準が正しいところを指すように調整する意味で使われたのがはじまりだそうです。銃のスコープをのぞいて(in),そのスコープの原点、つまりzeroに的を合わせる(on)ことからzero in onとなったのでしょう。Cambridgeにはto direct all your attention toward a particular person or thingとありますから、すべての注意を向ける、といった感じです。The computer is down, and a technician is trying to zero in on the problem now. (コンピューターが動かなくなって、今専門家が不具合をみているところよ) I’m trying to zero in on November 3rd. (11月3日にねらいをしぼろうと思う) この文のように何か計画などを実行にうつす日を決めるようなときにも使われます。
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to death 「死ぬほど、極端に、ひどく」 In the drought, many people starved to death. (干ばつで多くの死者がでた) という場合は、実際に死んでしまうのですが、I’m tired to death.というと「疲れてぐったりしている」ことで、実際には死んではいないわけです。このように to death は実際に死ぬという「結果」を表す場合と、veryやtoo much などと同じような「程度」を表す場合があります。I love him to death.であれば「死ぬほど彼を愛している」という意味で、実際に彼が死んでしまってはこまるわけですから、程度と取るのが普通でしょう。He worked hard to death.であれば、「過労死した」かもしれませんが、「死ぬほど仕事をした」と理解するのが普通でしょう。一種の強調表現と捉えればいいと思います。日本語だって、「びっくりして死ぬかと思った」などと使いますから、発想は同じでしょう。You must have been bored to death, sitting here all day with nothing to do. (何もすることがなく一日中ここで座ってたんじゃ、死ぬほど退屈だったにちがいない)
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You’ve got me there. 「まいったな」「痛いところを突くね」 have got=haveなのでYou have me thereとも言うらしいですが、個人的には一度も聞いたことがありません。You've got me thereが普通なのではないかと思います。一本取られたな、といった感じ。何か窮地に追い込まれたり、言葉につまったりしたら、これを使うと場が和むので便利です。「あなたが私をそこに連れて行った」という意味から、どうして「まいったな」という意味に発展したのか定かではありませんが、そこ(there)とはおそらく「窮地」を指すのでしょう。You've got me there. I have no explanation for that. (何て答えていいのか分かりません。それに対する釈明は何もありません) You've got me there. You're right. (こりゃ1本取られたな。君が正しいよ) このように相手の意見が正しいと認めるようなとき, that's right. とかYou are rightの意味で捉えれば使いやすい気がします。
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revoke :「撤回する」英英には、to say officially that an agreement, permission, a law, etc. is no longer in effectとありますから、公に発表するニュアンスとがることが分かります。reはagainの意でしょう。 vokeは「呼ぶ」という意味。vocal (ボーカル) から連想すればいいと思います。「再び呼ぶ」ということから、「呼び戻す」→「取り消す」となったようです。He had his driving license revoked. (彼は運転免許証を取り消された) The liquor license would be revoked. (リカーライセンスが取り消されるだろう) liquor licenseとは店の中で酒類を提供してよいという許可のことです。The rights group says it’s revoking the Ambassador of Conscience Award. (人権団体は「良心の大使賞」を取り消すという) これはアンサンスー・チーさんに関する記事ですが、いささか複雑な気持です。
菜の花が咲き出しました。
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bid 「地位・支持などを得ようとすること」「骨折り」「努力」 オークションで競り合って、何とか競り落とそうと値を付けるのがbidです。I bid on a painting at the auction. (私はオークションで絵画に入札した) そういう意味から、何かを得ようと懸命に努力するといった意味合いが出てきたのでしょう。そのような意味は、make a bid for~とか、in a bid to doなどの言い方にも出てきます。She made a bid for the votes of women. (彼女は女性票を集めようと努力した) Local government officials have shot more than 400 rockets into the sky in a bid to bring rain to parched regions along the river. (地方行政職員は干ばつ地帯に雨を降らせようとして空に400発のロケット弾を打ち上げた) しかし、その一方で、bidには「(挨拶・別れなどを)述べる、告げる」という意味があって、どうも「競争する」という意味合いとなかなか繋がりません。どうして、say のような意味に発展するのか、わからない。どなたかご存知のひとは教えてください。The stars of some of those movies bid Stan Lee farewell. (いくつかの映画の主役がスタン・リー氏に別れの言葉を贈った) ここでは二重目的をとっていますからsayよりもgiveと捉えればいいでしょう。
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dire :「悲惨な,ひどい,恐ろしい」と言う意味の他に「差し迫った,逼迫ひっぱくした,緊急の」といった意味があります。状況が非常に悲惨であるから、改善に急を要する、といった意味合いを持つようになり、そこから「緊急の」といった意味に発展したのだろうと思います。発音はダイア―といった感じ。個人的には、小説でよく見かける単語でしたが、それがCNNの記事に出ていたので紹介します。U.S. climate experts have issued dire new warning about the consequences of global warming. (米国の気象専門家らが、地球温暖化の影響について焦眉の急を告げる新たな警鐘をならした) 語源的にはdinosaur(怪獣)と関係がありそうですが、どうでしょうか。
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You poor thing. 「まあ、かわいそうに」この成句のpoorはかわいそうな、という意味。thingは普通「物」ですが、ここでは「人」。なぜthingが人を指すのか訪ねたところ、thingはanythingだからとのこと。どんなものでも指すわけだから、人も指すというわけです。何かよくないことが起こった相手に対して「かわいそうに」「気の毒に」などと声を掛けるときのフレーズです。文法的にはYou are a poor thingなんでしょうが、You poor thing, もしくは単にpoor thingといいますから、YouはLucky youなんかと同じで呼びかけるときに出てくるyouなのかなと捉えています。個人的な体験からいえば、poor thingの方がよく使われている気がします。”I've been suffering from a running nose because of hay fever!”” Oh,(you) poor thing.”(「花粉症で鼻水が出っぱなしなんだ」「まあ、かわいそうに」)