throw in the towelは「やめる」とか「あきらめる」とか「敗北をみとめる」といった意味で使われます。この成句はボクシングの試合中にリングにタオルを投げ入れて、試合をやめさせることから来ているようです。つまり、throw the towel in(to) the ringからthrow in the towelとなっていったようです。奇妙なのは、throw the towel in、あるいはいっそリアルにthrow the towel into the ringであれば、わかりやすいのですが、それがthrow in the towelとなる点です。なんとなくタオルの中に投げ込まれるような錯覚を覚えてしまいます。どうしてこんな風になるのか、残念ながらわかりません。個人的には、throwの目的語the towelを後ろに回して、throw into the ring the towel からto the ringはわかりきっていることなので省略されて、throw in the towelとなったのではないかと考えていますが、さて、どうでしょう? このような成句に出会うと、まさにI feel like throwing in the towelです。You are not the kind of man who throws in the towel. (きみはあきらめるような人間じゃないさ) The Democratic Party’s presidential candidate, feeling that he no longer had any chance of being elected, finally threw in the towel. (民主党の候補者は、もはや当選の見込みがないと見て、ついに敗北を認めた)(Modern American Colloquialisms)

Hiromi always helps out in the store.というと「ヒロミさんは、いつも店を手伝ってくれる」といった意味です。helpにoutがつくと「困っている人を支援してあげる」といった意味合いが出ます。outはcompletelyとかcarefullyといった意味の副詞ですが、忙しい人の手伝いをしてあげようとして「手を出す」のでoutかもしれません。あるいは、身体を動かして助け出す (out) と考えてもいいでしょう。あるいは、ひとの困難を外に (out) 出 してやる、という風にoutを捉えても面白いと思います。Tom helped me out when I was in trouble. (トムはぼくが困っているときに助けてくれた) We should hire a temporary employee to help out. (臨時の従業員をやとって手伝ってもらうべきです)

take effectはgo into effectやcome into effectと同じだと言われていますが、若干使い方に差異があるようです。規則とか法律などが効力を発する、という意味では、take effectもcome [go] into effectも同じですが、take effectには薬などの効果が出てくるといったような、意図した結果が出てくるといった感じで使われることがあります。A lot of drivers were protesting outside the ministry of transport as the suspension took effect. (営業停止が実施される際に運転手たちが運輸省の前で抗議していた)  Please relax for a couple of hours until the pills take effect. (薬が効いてくるまで、二三時間楽にしてください) この意味ではcome [go] into effectは使われないようです。

hapless (不運な) はhappy+lessだと説明してくれたALTがいました。happyもhaplessもともにhap-からできています。hap-はhappenなどに出てくるようにchanceを表す語ですから、たぶん「幸せ」とは「運」によるところが多かったのでしょう。We saw the ruins of these hapless cities after the big earthquake. (大地震の後、わたしたちは不運なこれらの街々が廃墟に帰した様を眼にした) なお同意語のunfortunateとの違いを訊いたところ、haplessの方が「本当に不幸な」ことを意味するということでした。really unfortunate=haplessということでしょうか。ちなみに、fortunate (幸運)は「財産」という意味も持っています。財産もまた幸運に恵まれて築くことができると彼らは考えているのでしょう。だから、noblesse oblige (ノブレス・オブリージュ) の精神が生まれたのかもしれません。

give up on ~ は「~を諦める」という意味ですが、「見込みがない」とか「見限る」という日本語に相当する気がします。Some towns in Canada are being flooded with mostly African refugees who have given up on their asylum claims in the United States. これはCNNに載っていたもので、アメリカからカナダに多くの難民が押し寄せているという内容の英文ですが、亡命申請を諦めるというところにgive up onが使われています。アフリカの難民たちはアメリカに亡命できるだろうと思っていたのでしょう。それがかなわなくなったというわけです。このように、何か期待を抱いていたことがダメになったといった場合に用いられるような気がします。Mr. Tanaka gave up on the puzzle after working on it all afternoon. (田中さんは午後いっぱい使ってパズルをしていたが、あきらめた)この場合も、これくらいのパズルなら解けるだろうと田中さんは思っていたわけですが、やってみるとダメだったというわけです。「見切りをつける」といった感じがします。She gave up on her study of Chinese. (彼女は中国語の勉強をやめた) この場合も、彼女は語学の才能があるとでも思っていたのでしょう。ところがどうもうまく行かない。そこでやめたというわけです。ですから、onはon the way (途中で) の onかもしれません。なお、give upは完全にやめる。もうやらない。といった感じで捉えればいいと思います。

centrallyというと、いろんなことがある中心に向かって集まっている感じがしますが、逆に、その中心からいろんなこと・ものが出ている、一つの中心によって全体が統一されている、つまり「一元的に」という意味でとらまえなけければ意味をなさないことがあります。英英にはfrom one main placeとありました。中心となる本部[中央]で組織のすべての活動を管理する,といったような場合に用いられるようです。More than 1,000 Russian athletes were involved in a massive doping conspiracy. And, crucially, it was centrally organized. (1,000n人以上のロシア人アスリートが大がかりなドーピング計略に関わっていた。そして決定的なことは、一元的に組織化されていたということだ)

日本語でスパイクというとサッカー選手とか野球選手など、アスリートたちが履く靴底のスパイクのことをいいますが、英語のspikeには、そのような意味の他に、売上などの「急上昇」を意味することがあります。先の尖ったスパイクのイメージからこのような意味になったようです。ただし、釘の先が下向きではなく、上向きに尖っていることから「急上昇」を意味するようになった、というのが面白いなと思います。わたしたち日本人はスパイクというと地面に刺さるものというイメージがあって、下向きのものとして捉えようとすると思うからです。ベクトルが前後左右自在に動くのが英語の語句の特徴の一つかもしれません。 Amazon is suddenly seeing a sales spike for one particular book: 1984, by George Orwell. (アマゾンで突如、売上を伸ばしている一冊の本がある。ジョージ・オーウエルの『1984』だ)