improviseは 「即興的につくる」と言う意味。im=in(=not)+pro(前に)+vise(見る)から出来た語です。 viseはカエサルの有名な言葉、veni, vidi, vici (来た、見た、勝った)に使われているvidi(videre)が語源だそうです。「前に見ない」「前もって見ていない」「前もって準備していない」そこから「即興でつくる」という風になったのでしょう。Louis improvised a jazz tune on his trumpet. (ルイはトランペットでジャズの曲を即興でつくった) We had the actors improvise. (私たちは俳優たちに即興で演じてもらった)

「求人広告」のことをhelp-wanted ad.と言ったりします。ちょっと乱暴ですが、和製英語風に捉えると、雇う側はI want help、雇われる側はyou are wanted、それらを一緒にしたものがhelp-wantedだと考えればいいかもしれません。She intends to apply for a help wanted advertisement that she saw in the newspaper yesterday. (彼女は、昨日新聞で見た求人広告に応募するつもりです)あら

hospitableには 「もてなしがいい」という意味の他に「環境がよい」という意味があります。語根のhospit-は「客」と「主人」の両方の意味を持つそうです。いずれにせよ、客をもてなすのがhospitableの原義。客をあたたかくもてなす、という意味から「環境がよい」という意味に発展したのでしょう。Americans are hospitable. (アメリカ人はもてなしがいい) This forest provides a hospitable environment for wild birds. (この森は野鳥の住むのに適した環境です) ちなみに、「病院」のhospitalは「客をもてなす場所」を本来意味していたようです。そこから、病人をもてなす場所という意味に発展していったのでしょう。また「もてなす」から「もてなし」になったのが、hospitalityです。ところで、客が人質(hostage)の場合もあります。人質だって利用価値があるわけで、十分もてなされていたことでしょう。しかし、見張っていなければなりませんから、あるいは見張られているわけですから、敵意(hostile)を抱くわけです。かつて中世までは「客」と「主人」は同じ語だったとのこと。それではまぎらわしいということから、客はguest 、主人はhostを使うようになったようです。

Come back in one piece. は「ひとかけらで戻れ」というのではなく「無事に帰ってきて」といった意味です。ここでのpieceのイメージは身体を作っている腕とか脚とかを想像してみればいいでしょう。戦争へ行って、手足をなくして、つまりpieceがばらばらになって帰ってくることがないように、ひとつのpiece,つまり手とか足とか失っていない完全に一つの状態で、ということからin one pieceで「無事に」といった意味になるそうです。My desire to come home in one piece has remained keen. (無事に帰宅したいという私の思いはとても強かった) He was lucky to get back to his country in one piece. (彼が無事帰国できたのは幸運だった) 

lag behindのlagはlastの変形だそうです。つまり最期の、一番遅い、ということから「ゆっくり行く」go slowlyの意味になったようです。relaxやlateも同根語でしょう。そこで、「ついていけない」「遅れる」といった意味で使われるようになったと考えられます。「~より遅れて」「後に」の意味のbehindを伴って、事業などが立ち後れているような場合に用いられます。We lag behind the U.S. in the steel production. (私たちはアメリカに鉄鋼生産高で遅れをとっている)Hot springs resorts are becoming increasingly popular in both the United States and Europe although they still lag behind Japan.(温泉地はだんだん合衆国でもヨーロッパでも人気が出てきているよ。ただし、まだまだ日本には遅れをとっているけどね)(青学)

クレジットカード、小切手、手形などに対して現金の意味で使われるのがhard cashです。現金の方がクレジットカードや手形などよりも数えるのが大変(hard)だからhard cashというのだと説明してくれたALTがいましたが……。There is a shortage of hard cash. (現金が不足している) We gave him half the money in hard cash and wrote a cheque for the rest.(彼にはお金の半分は現金で与え、残りは小切手を切った)

haves and have-notsは、ものすごい金持ちとものすごく貧しい者ということ。アメリカのように資源が豊かな国を持てる国、日本のように資源に恵まれていない国を持たざる国などといったりしたので、人だけでなく、国も指すのではないかと思っていましたが、「持てる者と持たざる者」と人々だけを指すそうです。人々を指すので複数形にするとのこと。簡単に言えば、havesはthose (people) who have much moneyということ。have-notsはpeople who do not have much moneyということ。 If we don’t start working together, we are going to create a society of haves and have-nots. (みんなで協力しあわなかったら、持てる者と持たざる者の社会を生み出すことになる)