take hold ofと目的関係のofを伴うと、「~をつかむ」となりますが、take holdだけだと、「根づく」「根を下ろす」といった意味で使われます。holdは動かないものをしっかり握ることですが、たとえば梯子を上るときに、ぐらつかないように梯子を握ってあげるのがholdのイメージですから、安定させる、といった感じで捉えればいいでしょう。コンビネーションの構造から言えば、このholdは名詞で「安定させること」です。いわゆる、動詞+名詞+前置詞のコンビネーションで捉えればいいと思います。Democracy has not taken hold in this country. (この国は民主主義が根付いていない) Scientists found the young coral had taken hold in the open ocean. (科学者たちは若いサンゴがその海域で根付いているのを確認した)

characterの語源は「コインに印を刻む」だそうです。刻まれたものが「文字」の場合は、Chinese characters (漢字) などに出てくるcharacterになるでしょう。さて、コインは価値あるものなので、それが人間を表す比喩的な意味として使われるようになると、「品性」とか「人格」といった意味になるのでしょう。人間として価値あるものは「品性」「高潔さ」「人格」「正直さ」などだというわけです。a man of characterというと通常は「人格者」と訳されます。小説などに登場する「登場人物」なども大切な意味なり価値なりを背負っているわけですから、characterになります。The fiction involved characters speaking to each other in Japanese. (その小説には、お互いに日本語で会話する人物が登場します) 最近気になっているのが、メールなどの文字はletterではなくcharacterが使われているということです。漢字だけでなく数字や符合なども含むのでcharacterを使うのかもしれません。character limitというと文字数制限の意味。It is tough to sum up complicated news stories in just 140 character limit. (複雑なニュースをたった140字では要約するのは難しい)

 layは「目的を持って置く」ことが原義。したがって、lay byという句動詞は、直訳すると「そばに持って置く」となります。lay byはlay by youとでも考えたらどうでしょうか。今では銀行へお金を預けたりするのが普通ですが、昔は自分のお金をベッドの中とか、枕の下とか自分だけに分かる場所や自分のそばに隠しておいたそうです。そこからlay byが「取っておく」「貯めておく」という意味で用いられるようになったとのこと。While young, lay by as much money as you can. (若い間にできるだけ多くのお金をためておきなさい)(早大

We will launch a new project. (新しい計画に着手します)というときのlaunchはbeginの  意味。NASA made final preparations for the launching of the shuttle Endeavor. (NASAはエンデヴァー号の最後の発射準備を行った) この場合は「ロケットなどを発射する」という意味。Apple plans to launch the iPhone in the U.S. this June and in Asia next year. (アップル社はiPhoneを米国では今年の6月に、アジアでは来年に発売する予定です)(CNN/2007) この場合は「商品を市場に出す」といった意味で使われています。launchの語源を調べてみると、throw (投げる) という意味がありました。launch a spear (槍を投げる)という表現にその意味が残っています。日本でも戦を始めるときには、ほら貝を吹いたり、鏑矢を放ったり、目の前の敵に対しては「やあやあ、遠からん者は音にも聞け。近くば寄って目にも見よ」と呼ばわっていた時代もあったわけで、戦にせよ、商売にせよ、何かを始めようとするときは、洋の東西を問わず、とかく仰々しくなるようです。launchのイメージとしては派手に打ち上げる感じでしょうか。

かつて探検家が道に迷わずに同じ場所に戻ってくるための目印になる特徴的な物をlandmarkと言っていたそうです。そこから「観光名所」「目立つ建物」などの意味に発展したのでしょう。観光名所とか建物などを目印にして方向を示したりすることもあるのですから。As the tour boat passes Washington landmarks, Chinese visitors say they already have some impressions. (ツアー船がちょうどワシントンの観光名所を通り過ぎたが、この船に乗っている中国人観光客は、もうすでにいくらかの感銘を受けているそうです)(CNN) The Tower of London is one of the city’s landmarks. (この町の一番の名所はロンドン塔です) さらに場所から時へと発展して、独特の印となる出来事、ある時代を象徴するような「画期的な出来事」の意味としても使われるようになったのでしょう。Airline stocks in Taiwan and China could benefit from a landmark deal struck over the weekend. (台湾と中国の航空株は、週末に結ばれた画期的な協定のおかげで値上がりするかもしれない)

「約束を守る」という場合はkeep one's wordと所有格を伴います。wordは「約束」の意味なので単数。約束は一つで、いくつも約束をするのは欺瞞になりかねないから単数にするのでしょう。keep the word とかkeep the wordsのようにはなりません。常にkeep one's wordとなります。それは、誰が約束を守るのかをはっきりさせるということでもあり、同時に、所有格をつけることでwordに重心が移って単なる「言葉」ではなく「約束」の意味に発展するからとも考えられます。One must always keep one's word. (人は常に約束を守らなければならない)(獨協大

go through ~( ~を経験する) のthroughは始まりがあり、経過があり、やがて終わりがある。そんな感じのするthroughです。苦しみに耐えるというニュアンスがあります。アウシュビッツを経験するなどがまさにgo throughでしょう。The civilian population of Europe went through a great deal during World War Ⅱ. (ヨーロッパの一般市民は第二次世界大戦中たいへんな苦難を味わった)The widowed mother had to go through a lot of hardships.(その未亡人の母親は多くの困難にあわなければならなかった)(早大)The Cold War was ending and the world was going through a political and an economic and a technological revolution. (冷戦が終結にむかい、世界が政治的、経済的、技術的に変革期を迎えている最中だった) They went through the fiction every day. (老人と少年はこの作り事を毎日くりかえし演じているのだ)(『老人と海福田恆存訳) この文のように「演じる」という意味でも使われます。「経験する」から「偽りを経験する」つまり「演じる」という風に発展したのでしょうか。