now and thenは文字通り、そのときもそしてまた次のときもということから「ときどき」といった意味になったのでしょう。「そのときも、そしてまたそのときもそして……」と次々に起こることからthenを重なてnow and then and then...というのが正確な言い方でしょうが、それだとくどいので一回だけにしてnow and thenとなったもののようです。every now and thenという言い方もあります。We don't see him very often, but now and then we talk with him over the telephone. (私たちはしょっちゅう彼に会っているわけではないが時々電話で話しています) The sun shone through the clouds now and then.(雲間から時々日が差し込んだ)さらに、now and thenは文を安定させるためにあるいは語調を和らげるために付加する場合もあります。Teachers need to tell little white lies now and then.(罪のない嘘をつかなければ教師にはなれない)この文の場合、嘘をつくことも教師には必要な場合があるといっているのですが、なにがなんでも絶対嘘をつけと言いっているわけではありません。そのあたりの語調を和らげるためにnow and thenがついているわけです。

on behalf of~は「代表として代わりに行う」というような場合に用いられます。behalfは古英語でbe+ healfe(him) のことで、つまり by (his) sideとかbesideの意味だったことから「~に代わって」という意味に発展したのでしょう。かつて王様は直接部下に話しをしないで、王様の言葉は、彼のそばに(by his side) 仕える秘書官みたいな者が王に代わって命令したり、話しかけたりしたことからこのような表現が生まれたのではないかと思うのですが、どうでしょうか。The lawyer said he would speak on behalf of Mr. Smith. (その弁護士はスミスさんの代理人として話すと言った)(学習院)We stock the cheese on behalf of our clients. (私たちは顧客に代わってチーズを貯蔵します) なお、on behalf ofは人に代わって、ということですが、物の場合はinstead of です。Let's buy this one instead of that (one). (あれ[それ]の代わりにこれを買いましょう)(研究社)  

make a fool of ~ 「~を笑いものにする」Stop making a fool of him.というと「彼を馬鹿にするのは止めなさい」といった意味になります。 "make A of B"で「BをAにする」という意味ですが、このでのofは「組立」を表すと言われたりします。つまりBを愚か者に組み立てていくというわけです。受け身になると被害を表します。He was made a fool of.(彼は笑いものにされた)みんなは彼を馬鹿にしたわけです。直接本人を前にして何かの行動に出たり、言ったりするのがmake a fool of ~でしょう。一方、かげでこそこそからかったりするニュアンスを持つ成句がmake fun of ~ だそうです。funは本来楽しいことを表す語ですが、楽しいことも度を超すと悪ふざけに変わるということでしょう。なおfunは不可算ですから、冠詞をつけません。Don't make fun of me. (からかわないでよ)もちろん複数の人間を馬鹿にする場合はmake fools of~と複数形になります。

 

minus は「を引いた」「~がない」といった意味で使われますが、日本語のマイナスは「引く」という意味の他に「減る」「下がる」といったニュアンスをもっている気がします。マイナス思考(negative thinking / pessimistic) というのは気持ちが下がるというか、やる気が減るというか……。収益が減って赤字(deficit) になるとマイナスとかマイナス成長(negative economic growth)と言ったりします。英語の場合、特に「~がない」といった意味がありますから、注意しなければ間違って使いそうです。withoutと同じ意味ですから、品詞としては前置詞と捉えればいいと思います。They are publishing a new edition of the Adventure of Tom Sawyer and Huckleberry Finn, minus the N-word. (彼らはNワードを削除した『トム・ソーヤの冒険ハックルベリー・フィンの冒険』の新版を出すことにした) ちなみにN-wordとはniggerの婉曲表現です。現代では、niggerは差別用語ですからN-wordと婉曲的に表現します。

occidental のcid-は「落ちる」という意味。太陽が落ちる方向が西なので「西洋の」、さらに名詞で「西洋人」となったわけです。accident(事故)も自分に落ちてくるものですからこの-cidが出てきます。-alは形容詞語尾と同時に名詞語尾でもあります。一方、oriental (「東洋の」「東洋人」)は太陽が昇るところなので東になります。oriは「はじまる」という意味。originalやoriginも同根です。orientalはしばしば軽蔑して使われることもあるのでAsianを使った方が無難な気がします。occidental civilization=western civilization (西洋文明) Since he was occidental, he found it a little awkward to relish oriental dish.(彼は西洋人だったので、東洋の料理を味わうのに戸惑いを感じた)

cave in to~は「~に降参する」とか「~に譲歩する」といった意味で使われます。caveは洞穴。その中に(in) 落ちると考えればいいでしょう。穴に落ちてしまっては、「降参する」しかありません。当初反対していた要求にしぶしぶ応じるといったニュアンスがあるように思いますが。前置詞toはagree toのtoと考えればいいのではないでしょうか。The management caves in to a demand. (経営陣は要求に屈する) Apple is the latest company to cave to China’s cybersecurity regulations. (アップル社が中国のサイバーセキュリティに関する規制に譲歩した直近の会社になった) このようにinが省略されることがあります。She accused the university of caving in to political pressures. (彼女は政治的圧力に屈しているといって大学側を非難した)

Well, I have money to burn, as the saying goes. というと「まあ、金は、俗に言う、掃いて捨てるほどある」といった感じになります。このように as the saying goesというのはいわばセットフレイズで、「俗に言う」とか「ことわざにもにもあるように」といった意味で使われます。 the sayingの定冠詞theは前文のI have money to burnを指しているのでつくと考えればいいと思います。As the saying goes, you can't make an omelet without breaking eggs.「俗に言われているように、玉子を割らずにオムレツは作れないんだ」you can’t make an omelet without breaking eggsというのは「目的を達成するには、犠牲をともなうものだ」といった意味のことわざです。これに似ている表現にAs the proverb says…という言い方がありますが、the sayingは goesにたいしてthe prover の場合はsaysも使われます。proverbの方がsayingよりも擬人的になっているのかもしれません。たとえば、あの田中さんが言うように、とか、鈴木さんが言うように、と身近に感じるひとも言っている、という風に擬人的なニュアンスになって、言うというsayが使われるのではないでしょうか。As the proverb says, "Better late than never." (ことわざにもあるとおり「遅くともしないよりはまし」だ)