die hard を直訳すれば「なかなか死なない」となります。習慣とか態度などを改めたりするのにたいへんな努力と時間がかかり、完全に取り除くなんて不可能なことだというような場合に用いられます。バブル期に日本バッシングがアメリカで起こりましたが、日本に対する偏見はdie hardだと当時思ったものです。hardは「物が硬い」ということから外部からの圧力に抵抗してその圧力をはねのけるイメージがあるようです。Interracial hatred dies hard. (民族間の憎しみはなかなか消えない)Stereotyped images die hard.(ステレオタイプのイメージはなかなか消えない)

「高所恐怖症」はacrophobiaという医学用語以外にa fear of heightsといいます。I have a fear of heightsというと「ぼくは高所恐怖症だ」といった意味。heightsと複数なるのはなぜかと訊いたところ、エレベーターに乗っていれば2階も3階も4階もすべて怖いからだと説明してくれたアメリカ人がいました。面白い解釈でしたが、複数の概念はときにいい加減なものだとも思ったものです。このheightsはまさしく高所、つまりhigh placesということから複数になっているようです。ここでのhaveは、have a fever (熱がある)とかhave a headache (頭痛がする)など、病気にかかっているときのhaveに近い気がします。

coffee and conversation  「会合」conversationだけでよさそうですが、coffeeが付きます。アメリカ人のALTに訊ねると、コーヒーを飲みながら話し合いをするのでそういうのだと予想通りの答えがかえってきました。ではconversation and coffeeとは言わないのか、と訊ねたところ、そう言ってもかまわない、ということでしたが、一般に長い語の方が後ろにくるのでconversationが後になるとのこと。ちなみにイギリス人はお茶が好きだから、tea and conversationというのだろうか、と訊ねたところ、そう言うかもしれません、ということでした。PTA’s coffee and conversation is scheduled for Friday. (PTAの会合は金曜日です)

They found out that kangaroos are apparently left-handed. (彼らが明らかにしたのは、カンガルーはどうやら左利きだということだ)(CNN) このようにfind outは形のないものを見つけるときに使われると考えればよさそうです。ここではカンガルーは左利きだという今まで知らなかった新しい情報を見つけたというわけです。outは「出現」を表すoutでしょう。They found out that the politician had taken bribes.(その政治家が賄賂を受け取っていたことが調べてわかった) このように「情報を得る」という意味から「調べてわかる」といった意味にもなります。一方、findは、たとえば家とか事務所とか手帳とか鍵といった形のあるものを見つけるときに用いられるようです。I found a purse on the road. (私は道で財布を見つけた) I couldn't find her house.(彼女の家を見つけられなかった) といった具合に。

earningsは「収益」という意味ですが、-ing形の名詞が複数形で使われる場合は、通常「結果」を表す場合が多いようです。たとえば、savingは節約することですが、savingsとなると、「貯金」になります。節約した結果が貯金とでも考えればいいでしょう。もっとも1ドルとか1セントを貯金とは言わないし、売り上げとも言えないわけですから、複数形になるのは当然と言えば当然ですが……。Since its peak in 2006, animation earnings have dropped off. (2006年をピークに、アニメ業界の売り上げは下降しています)

feeの意味としてたいていどの辞書にも「専門職への報酬」と載っていますが、「特別」に支払う「料金」とでも考えれば分かりやすいと思います。トラブルに巻き込まれなければ弁護料(a lawyer’s fee) は必要ないわけですし、健康で医者の世話にならなければ医療費(medical fees)も払う必要はないわけです。このように弁護料とか医療費は「特別」に支払う「料金」ですからfeeになると考えれば良さようです。また特急料金(express fee) は乗車券の他に特別にかかる料金ですから、これもfeeが使えます。もちろん受験料も受験のときだけ払いますからexamination feeになります。ところで、封建時代をfeudalistic ageといいますが、このfeudal、あるいはその元になるfiefとfeeは語源的には関係があるようです。fiefは封建領主の領土の意味ですが、そのfiefからfeeとなったもので、本来は小作料だったそうです。ともあれ、摂られるお金に違いはないですが。Regulars say the fee to sleep is a small price to pay to overcome exhaustion. (常連客たちによれば、睡眠をとるために払う料金は、極度の疲労を回復させることを考えれば、大した金額ではないとのことだ) 仮眠をとるための部屋代は特別に支払う料金ですから、feeが使われているわけです。

fightには 自動詞と他動詞があってどう使い分ければよいのか迷います。fight prejudice(偏見と闘う)とかfight discrimination(差別と闘う)などのように抽象的なものに対しては他動詞扱いが多いと解説しているのを目にしたことがありますが、fight for freedom「自由のために闘う」などのように抽象的な事柄であっても前置詞forを伴って自動詞扱いになる場合もあって、一概に具体的・抽象的でくくるのは無理がありそうです。The move is supposed to fight obesity. (この措置は肥満対策の一助になることを見込んで実施される) ここでのfight obesityは肥満をなくすための戦いということでしょう。さらに、Soda makers say they will fight the ban. (炭酸飲料メーカー各社は、この禁止条例と争う構えだと述べている) この文の場合も、条例をなくす闘いということです。この二文からわかるように、他動詞fight は何かをなくす戦いという風に捉えればよさそうです。一方、fight for の場合は何かを求めて戦う、といった感じでしょう。fight for independenceは独立を求めて戦う,fight for freedomは自由を求めて戦う、というわけです。 前置詞forは期待のforです。ところで、これは体育祭の時の出来事ですが、リレーに出場するALTに向かって、生徒たちが「ファイト」と声をかけたことがありました。声を掛けられた女性のALTは怯えていました。