keep in mindは 「心に留めておく」、come to mindは「思い浮かべる」といった意味ですが、いずれも所有格を付けてkeep in your mindとかcome to your mindのような言い方はしないそうです。一般的なことについて述べる言い方なので、所有格が付かないのだろうと思われます。強いて補えば、keep in (people’s) mind, come to (people’s) mindでしょうか。Keep in mind insulting the Turkish president is a crime. (トルコ大統領を侮辱することは犯罪になるということを忘れないで)(CNN) この文で言えば、トルコ大統領を侮辱すると罪になるということを誰もが心に留めておかなければならないというわけです。ちなみに、keep ~ in heartとは言いません。heartは「感情面」に焦点があるからでしょう。一方、mindは脳の働く場所です。記憶を司るのは脳だからmind =brain(頭脳)と捉えてもあながち的はずれではないと思います。日本人は「心に留める」といいますが、彼らは「脳の中に留めておく」というわけです。我々日本人には生々しく響きますが、こういう生々しいところに英語の正直さを感じます。You should keep in mind how dangerous it can be. (それがどんなに危険であるかを心に留めておくべきだ)この文でもそうですが、keep in mindは重要なことなので覚えておくようにと、警告する場合にたいてい用いられます。

get around to ~という句は「~する時間や機会を見つける」「ようやく~する」といった感じですが、ここでのgetは「捕まえにくいものを捕まえる」といった意味合いを持つようです。従って、ここでのgetは「大変」というニュアンスで捉えればいいでしょう。いろいろとやることがあって、やっとそれをする時間や機会が見つかった、といった感じだそうです。aroundは「あれこれ」とか「いろいろと」といったニュアンスが捉えればいいと思います。I finally got around to buying new shoes. (ようやく新しい靴を買った) この文の場合、たとえばデパートへ出かけて、洋服とか、帽子とか日用品とかいろいろ買って、最後にやっと靴を買ったというわけです。いろいろ回って、あれこれ買って、というのでaroundと考えてもいいかもしれません。He bought a book, but never got around to reading it. (彼は本を買ったが、それを読む時間を見つけることができなかった) I’m sorry, I can’t get around to it. (ごめんなさい、そこまで手がまわらないわ)

Don’t get me wrongは 「誤解しないでね」とか「勘違いしないでね」といった意味ですが、直訳すると、私を間違って理解しないでくれ、といった感じでしょう。 Please don't get me wrong about Japan. (日本についてぼくが思っていることを誤解しなで欲しい) 状況によってはget him / her wrongのように目的語にme以外の代名詞も来ることもあるそうですが、まれだそうです。普通はdon’t get me wrongで用いられるとのこと。Please don't get me wrong. She is nice deep down. (誤解しないで。彼女は根はいい人なんです) 

elsewhere は「どこかほかのところで[に、へ]」といった意味の副詞なので前置詞はつかないと思っていたら、long distance call for elsewhere in Japanという表現に出会いました。国内でどこかほかのところへ電話をかける市外電話の意味でしょうが、このforがなぜつくのか訊ねたところ、「ほかのところへ」という意味をはっきりさせたいからだ、ということでした。言葉は文法ではないことを改めて知らされたしだいです。

teamについては 「集合体と考える場合は単数。構成要素を考える時には複数扱い」とような説明が辞書にはありますが、単数が普通だそうです。Our team was [were] winning beautifully. という文を示したところ、wereは使わない、ということでした。集合体としてteamは捉えればいいようです。The team has been excavating the ruins of Stagira. (調査チームはスタギラ遺跡を発掘調査している)

whoppingはsurprisingly large(驚くほど大きい)という説明が載っています。whopは「~を叩きつける」といった意味ですから、びっくりして、まるで頭をガーンと叩かれる感じなのでしょうか。a whooping big watermelon.(ばかでかいスイカ) a whopping lie (大うそ) a whopping error (ひどい間違い)などの例が辞書にありましたが、普通、具体的な数とともに使われるようです。たとえば、He is paid a whopping 100 million yen a year. (彼はなんと年収一億だって)  At his heaviest, he weighted a whopping 200 kilograms. (一番重いとき、彼は体重がなんと200キロもあった) といった具合に、whoppingの後に具体的数字がくるのが普通のようです。

数年前のことですが、たまたま街で出会ったアメリカ人にget in one’s hair がどうして「いらいらさせる」という意味になるのかと訊ねたところ、髪の毛にガムがくっついてなかなかとれないのでいらいらするといった感じなのだ、と説明してくれました。Will you just stop getting in my hair? (ちょっといらいらさせないでくれない) Her disobedient manner gets in my hair. (彼女の反抗的な態度はぼくを苛々させた)