go under the hammer は「競売に付される」「競り落とされる」という風に日本語にすると受け身のようになりますが、物を主語にして能動で表すのが普通です。the hammerは競売者が使う木槌で、直訳すれば、「その木槌の下に行く」となります。この場合のunderはunder the lawなどの「支配」を表すときに出てくるunderのような気がします。ですから、競売者の支配下に置かれるといった感じでしょう。“Green Melon” went under the hammer for $25 million. (「グリーンメロン」という作品は2500万ドルで落札された) なお、競売に付す、という場合はput 物 under the hammerとなります。「木槌の下に置く」わけです。I hate to put this painting under the hammer. (この絵を競に出すのは嫌だ)

go placesを直訳すると「いろいろな場所に行く」となりますが、この成句は「出世する」とか「成功する」という意味で使われます。いろいろな場所に行くということは色々な職業を経験するという風に捉えればいいでしょう。欧米の社会ではstep upするために転職するという考え方が強いので、転職と出世、あるいは成功とは関係が深いのでしょう。placesと複数になるのは、たとえば、今の職を辞して、別の会社では社長になるとか、事業をおこすとか、様々な可能性を意味することから複数になっているのでしょう。係長、課長、部長などのようにランクが上がっていくことから複数になると説明したALTもいました。英英にはto be likely to be successful in the futureとありますから、未来について述べる言い方で、過去では使われるないようです。訊ねてみると、He studied a lot, then he went places.のようには言わないとのことでした。If Mr.Suzuki studies hard, he will go places. (スズキさんは一生懸命に勉強すれば、出世するでしょう) このように未来形で使われます。これからも様々な可能性が秘められているということから未来形になるわけです。

profitとbenefitはともに「利益」と訳されるので紛らわしいですが、単純に「儲け」を意味するのがprofitだと考えればいいと思います。proは「先」を意味する接頭辞ですから、誰よりも先に売って儲けるのがprofitなのでしょう。ともあれ、千円のものを千百円で売れば、profitは百円です。一方、benefitはお金では得られない「利益」、幸福とか福祉につながる「利益」、つまり内面を問題にするのがbenefitのような気がします。bene-はwell とかgoodの意味ですから、善い行いをすることがbenefitの本来の意味です。「慈善コンサート」のことをa benefit concertというのは、コンサートの目的がprofitではなく「慈善」だからです。「儲け」はないけれど、恵まれない人々のために役に立てるという思いがありますから、benefitになるわけです。This discovery of oil brought many benefits to the town. (石油の発見はこの町に多くの恩恵をもたらした) この場合、石油で町が儲かったというのではく、石油が町の人々に善い行いをした、つまりさまざまな恩恵をもたらしたというわけです。

go so far as to do (~しさえする)のgoはgo to extremes (極端に走る) のgoの感じがします。go as far as to doとは言わないのか、とALTに訊ねたところ、小首を振っていました。「それほど」のsoということもあるのでしょうが、比較として単純にas~asとはならない点が面白いと思います。Some people went so far as to stay all night in front of the store to get the new software. (中央大) 新しいソフトを手に入れようとして、一晩中店の前に居るなんて、極端なことでしょうから、やはりgoでしょう。

houseは「家」という名詞の他に「収容する」というような意味で動詞としても使われます。動詞の場合は、「ハウス」ではなく「ハウズ」のように[s]の音が濁って発音されます。図書館に児童書がたくさんあるとか、この学校の生徒数は3千人であるとか、この病院は何人収容できるとか、そういった場合に用いられるようです。ただし、この倉庫には冷凍マグロを収納してあるというような場合には、This warehouse houses the frozen tuna.と表現するよりも、stockを使って、They stock the frozen tuna in this warehouseのように言うのが普通だそうです。商品は売り物ですから、単に収容する意味のhouseよりもstockの方が好まれるのでしょう。なお、houseはそもそもhide (隠す)と関係のある語ですから、「家」にしても「収容する」にしてもなんとなく「隠す」とか「かくまう」といった意味合いがあるようが気がします。The new facilities house outpatient services. (新病棟は外来患者を受け入れます)

undertake を英英で調べてみると、to do or begin to do something, especially something that will take a long time or be difficultといった説明がありました。とりあえず、今までやったことのない仕事を引き受けるとか、難しくて手間暇のかかることを引き受ける、といったニュアンスでundertakeを捉えればいいのではないでしょうか。It was scary at the time to undertake a subject like that because I was actually against it. (当時はそんなテーマに手をつけるのが怖かったんです。というのも、実は私は乗り気ではなかったのです)

背中が痛いは、My back is painful.あるいはpainを使って、I have a pain in my back.とも言えます。painとpainfulが紛らわしいですが、痛みを引き起こしているのが主語であるというような場合にpainfulを使えばいいでしょう。My back is  painfulという場合、痛みを引き起こしているのは主語、つまり背中ということになります。Both consumers and businesses are feeling the pain. (消費者も企業も痛みを感じている)(CNN) ここでpainfulを使うと、消費者や企業が痛みを引き起こしていることになってしまいます。そうではないので、painが使われているわけです。