take overは「~を引き継ぐ」という意味で使われることが多いですが、over は上の方を渡るという運動を表す副詞なので、ある場所からある場所へ「移る」とかある人からある人へ「譲る」とか、さらに「責任や地位を引き継ぐ」といった風に発展したのでしょう。Henry took over the business when his father retired. (ヘンリーは父が退職したときに仕事を引き継いだ)(慶応大)この文の場合、父親の仕事や責任や地位がヘンリーに移ってきたというわけです。しかし、引継ぎが平和的に進まない場合は力づくになります。そのような場合には「乗っ取る」とか「占拠する」といった意味に相当します。The fighters have torched building and taken over several government facilities. (戦闘員たちは建物に火をつけ、複数の政府関連施設を占拠した)(CNN) この場合は軍事力を使って場所や権利を引き継いだ、つまり暴力的に占拠したというわけです。

containは中に含んでいることを意味します。脂肪をたくさん含む食品は取らない方がいいよと言いたければ、You should avoid foods which contain a lot of fat.といった感じでしょうか。ところで、containには「おさえる」とか「阻止する」などの意味もあります。「怒りを抑える」(contain one’s anger)とか「インフルエンザの流行を阻止する」(contain an epidemic of influenza)などのようにcontrolやcheckのニュアンスでも使われます。そこで英英を引いてみますと、to have something insideとありました。なるほど「含む」ということは、何かを内側に持っていることです。さらには何かを内側に抑え込んでいるということでもあります。たとえば、グラスに水が入っている (This glass contains water.) ということは水が外へ流れ出さないようにガラスの器が水をおさえているわけです。同様に、インフルエンザが外へ出ないように、つまり流行しないようにおさえているのがcontain an epidemic of influenzaというわけです。

boostは「押し上げる」ことです。木に登ろうとするときに友達にお尻を押し上げてもらったりするのがboostのイメージでしょう。子どもの頃、友達を肩に乗せて隣家の吊るし柿を頂戴しようとしたことがありましたが、I boosted my friend onto my shoulders to reach the hanging persimmons.とでも言えそうです。The government increased public spending to boost the economy. (政府は景気回復策として公共投資を増やした)(レクシス)このように経済やビジネスの分野で使われるboostも押し上げるといったニュアンスでいいのかなと思います。売上をのばすのはboost salesですが、売上を押し上げるとでも考えれたらどうでしょう。The firm is boosting its new product.ここでのboostは「大々的に宣伝する」といった意味ですが、新製品の知名度なり認知度なりを(押し)あげるのが宣伝するということでしょうから、campaignの意味でもboostを使うのでしょう。

 The Substance Abuse and Mental Health Services Administration says nearly one in 10 American teenagers experienced depression last year. Their survey says that this should be a wake-up call to parents. これはアメリカのteenagersの10人に一人がうつ病に罹っているという記事ですが、その調査結果は親たちへの警鐘となると薬物乱用・精神衛生管理局は言っています。ここでは「警鐘」の意味でa wake-up callという言い方が使われています。wake-up callといえば、いわゆるホテルでの「モーニングコール」のことですが、あたかもコールが目を覚まさせるかのように、ハッとして今まで知らずにいたことに目を向かわせるというニュアンスの「警鐘」という意味合いでとらえればいいのではないかと思います。

It seems that 節は「...のようだ」といったニュアンスで日常よく用いられる表現です。 It seems (to me) that they were too realistic. (私には彼らがあまりに現実すぎるように思えます) to meは個人的な意見をはっきり述べるような場合には普通省略しません。しかし、 一般的なことを述べる場合にはto meはつけないようです。It seems that he bribed a government official. (彼は政府の役人にわいろをつかませたようだ) なお私以外の場合、たとえば「あなたには(彼には)~のようだ」というので、It seems to you [to him ] that...  という言い方はしないようです。その場合はYou seem to do~/He seems to do ~と不定詞を使うか、that節の主語をyou [he]にすればいいでしょう。You seem to be a very tough man.(あなたは相当厳しい方であるとお見受けします)= It seems that you are a very tough man.

金利」のことをinterest ratesと言いますが、上げ下げがあるのでratesと複数形で使われるそうです。interestは興味とか関心といった意味ですが、経済面で関心があるのが利益ということからinterestがprofitの意味合いを持つようになったのでしょう。Borrowers have struggled to pay debt as interest rates increased for the fifth time in a year. (債務者は借金返済にあえいでいるが、これはこの1年で5度目の金利引き上げによる)

tax evasionは「脱税」、tax avoidanceは「節税」と訳されます。法に触れる「脱税」にはevasionが使われ、法に触れない方にはavoidanceが使われます。ちょっと紛らわしいです。それぞれの動詞形はevadeとavoidですが、evadeにせよavoidにせよ「避ける」という意味なのが紛らわしくさせているようです。そこで、evadeをCambridgeで見てみると、to avoid or escape from someone or something (何かあるいは誰かから逃れること)、一方avoidを見ると、to stay away from someone or something (誰かにあるいは何かに近づかないこと)とありました。つまりtax avoidanceは法に触れるようなことに近づかない、ということなのでしょう。一方、tax evasionの方は、法に触れてしまって、そこから逃れようとして脱税を働くという風に捉えればよさそうです。大雪警報が出たので外へ出ないのはavoidで、あいにく大雪に見舞われてしまったが、そこからどうにか脱出しようとして策を講じるのがevadeという気がしますが……。The microchip will automatically report speeding, road tax evasion, illegal parking. (チップは自動的にスピード違反や道路利用税の未納、違法駐車などを報告する)