「お茶か何か飲みますか」というようなとき、Do you want a cup of tea or anything? とor anythingを最後に付け加えることがあります。Do you want a cup of tea? だと、「お茶、飲むかい?」と直截的な物言いになるので、or anythingをつけて語気というか語調を和らかくするのでしょう。anything elseからelseを省略して短くor anythingとなったと考えればいいと思います。 He didn't cry or anything.(彼は泣いたりなどしなかった)(レクシス)こんな風にどのような行動をしたのかはっきりと言わずにちょっとぼかして曖昧に物事を述べるときにも使われます。Have you learned cooking or anything? (料理かなにか習ったりしましたか) このようにor anythingは通常否定文、疑問文で用いられるようです。

「宝くじを買う」という場合、buy a lotteryではなくplay a lotteryと言います。というのも、買えるのはticketだからです。したがって、buy a lottery ticketであれば問題ありません。playは身体を動かすだけではなく頭を使った活動(play chessなど)にも使われます。さて、lotteryは頭を使う方どうでしょうか。ともあれ、gameに使うのがplayだと考えればいいでしょう。lotteryも一種のゲームだと彼らはとらえているのでしょう。How much do Americans love playing the lottery? (アメリカ人はどれほど宝くじを買うのが好きだろうか)

 

 

 

play God 「神のように振る舞う」「神様きどりで振る舞う」と英和にはありますが、Cambridgeにはto act as if you are in total control of somethingとあって、必ずしも「神」のようにとはなっていません。キリスト教の神というよりも、どちらかと言えば、人間を超越した存在。自然界を自在に操る力、といった感じでGodが使われているようです。特に科学とかテクノロジーを指すことが多くなっている気がします。ここでのplayは単に「遊ぶ」という意味ではなく、play doctor (お医者さんごっこをする=play the role of doctor and patient)などに出てくるplayで「真似をして遊ぶ」といった意味でしょう。遺伝子操作がなどが引き起こす倫理的問題などでしばしば登場するplay Godもplay the role of Godが短くなったと考えればいいのではないでしょうか。Religious groups are enraged at the doctors’ attempts to play God. (宗教団体は神のように振る舞おうとする医者たちに激怒した) 日本には八百万の神が守ってくれているという信仰がありますから、play godsと複数にしてもいいのか、と訊ねたところ、知り合いのALTは笑っていましたが、どうでしょうか。

 

platform には「舞台」「駅のプラットホーム」などの意味の他に「政党の綱領」という意味があります。plat-はflat(平ら)の意味で、それにform(形)がついたもの。そこから、「平らな台」「土台」といった意味が原義です。政党が「演台」から綱領を発表するというので「政党の綱領」(a party’s platform)という意味に発展したのでしょう。また、綱領は政党の「土台」になるものだから、platformが使われたのかもしれません。ところで、今ではこの語はメディアやIT業界用語として使われています。が、没交渉のわたくしには何を指すのかよくわかりません。たぶんコンピュータシステムの「基礎となる」つまり「土台となる」情報を伝える場、といった意味で用いられているような気がしますが……。Industry experts are saying that mobile phones are going to be the big new platform for advertising. (業界の専門家たちは、携帯電話は新しい重要な広告媒体になると言っている)(EJ) A $10 million prize will be offered for whoever can create a mobile platform that most accurately diagnoses as many as 15 diseases in 30 patients (30人の患者が発症した15種類もの病気を最も正確に診断する携帯端末のプラットホームを作り出せた人に1000ドルの賞金が与えられる)

pilloryの説明として、Cambridgeではto severely criticize someone, especially in a public wayとあります。公の場で厳しく非難する、といった感じですが、もともとは「さらし台」の意味です。頭と手を板の間にはさんで自由を奪う刑具のことを指していたのが、刑場でさらし者になるという風に発展し、さらに、受け身形で「(公衆の)物笑いの種にされる」といった意味の動詞として使われるようになったようです。Sir Anthony Eden was pilloried by the opposition, despite protesting his peaceful intentions. (サー・アンソニィ・イーデンは、自らの意図が平和的なものであると主張しましたが、野党からは、笑いものにされた)(BBC) イーデンというと人気のない政治家の代名詞みたいになっているようですね。Mr. Kan would have been pilloried politically if he had not visited the stricken areas.(もし被災地を訪れていなければ、菅氏は政治的に槍玉に上げられていたことでしょう)東北地方太平洋沖地震のときの管首相の短時間のヘリコプター視察から、もうすぐ8年になります。あのとき放射能汚染にすばやく反応したのは、いわゆるハーフと呼ばれる生徒たちでした。というより、彼らの外国人の親たちでした。

phaseの語根のphasは「光」という意味だそうです。phasがphotとなってphotograph (写真)ができたそうです。ともあれ、光が映し出す面がphaseの原義で、光の進み具合でその相が変わりますから、段階とか位相の意味になったと考えられます。そこから、phase inという成句 (phaseの発音はフェイズと濁ります) は段階的に計画するとか、段階的に取り入れる、といった意味になったようです。前置詞inはintroduceのinでしょう。The fast food chain will phase in the new oil at all of its U.S. locations in the coming months. (ファーストフードチェーン店は数か月のうちに、米国内にある全店舗で新しい揚げ油を段階的に導入する予定だ) I’m a big fan of the touch-and-pay. It’s already phased in at every station. (私はタッチ&ペイが大好きです。あらゆる駅ですでに段階的に導入されています) 因みにtouch-and-payとはSuicaPasmoのように読み取り機に一瞬触れて支払うタイプのシステムのこと。なお、phase outとなると 「段階的に廃止する」という意味になります。このoutはrule outとかpeter outなどと同様、削除するときのoutと考えればいいでしょう。Walt Disney announced it’s going to be phasing out the promotion of unhealthy foods. (ウオルト・デイズニーは身体によくない食べ物の販売促進から徐々に手を引くと発表した) (CNN) McDonald’s USA announced that it will gradually phase out poultry raised on human antibiotics. (マクドナルドUSAは人間の抗生物質を投与して飼育された鶏肉の使用を段階的に中止すると発表した)

peevish 「だだをこねる」「いらいらする」といった意味が英和には載っていますが、英英にはbad-tempered(機嫌が悪い)とあります。知り合いの外国人に訊ねたところ正当な理由があっていらいらするといった感じではなく、寝不足なんかでいらいらしているような場合に使われるそうです。語源ははっきりしないようですが、etymologyを調べてみると、pervertと関係があるようです。She got peevish when I smoked.(ぼくが煙草を吸うと、彼女はいらいらした) Since I refused to take her to the park, my daughter was peevish.(公園に連れて行かないと言ったので、娘はだだをこねた)