I sat next to my friend.だと「友達の隣に坐った」となりますが、I bought it for next to nothing.というと「私はそれをほとんどただ同然で買った」(中央大)といった意味になります。このようにnext toは「~の隣に」という意味と否定語を伴って「ほとんど」という意味があります。語源を辿ると、nigh (近い)にまで遡るようです。neighborhood (近所)という語にnighは残っていますが、その比較級がnearで最上級がnextだったそうです。ですから、nextは一番近いという意味から「次の」「隣の」のといった意味に発展し、さらに否定語を伴って「ほとんど~ない」といった意味として使われるようになったのでしょう。中央大に出題された文の場合、next to nothingはnearly nothingあるいは almost nothingといった意味で、nothingに一番近い値段で買った、つまり、ただ同然で買ったということです。My students know next to nothing about the Vietnam War. (私の生徒たちはベトナム戦争についてはほとんど知らない) この文の場合、ベトナム戦争についての知識はほとんどゼロ(nothing)に近いといわけです。前置詞toはclose to のtoでしょう。It seems next to impossible to break her record. (彼女の記録を破るのは至難のわざに思える) この文のnext to impossible はnext to nothingと同様、impossibleに最も近いということから「ほぼ不可能で」almost impossibleということです。このようにnext toの後にはネガティブな語しかきません。なお、「最も近い」という距離の最上級はnearestが使われます。