temperは金属を叩いて柔らかくすることを本来意味する動詞だったのではないか、と語ったALTがいましたが、面白いなあと思ったものです。というのも、性格とか気質といったものはある瞬間にひょいと出来上がるなんてことはない。こつこつと叩かれたりして、つまりいろいろなことに遭遇して、あるいは体験して、次第に穏やかになっていくものなのだ。そんな風にそのALTは人間の気質というものを捉えていたからです。さてそのtemperの成句にkeep one's temperがあります。「平静を保つ」といった意味で使われます。直訳すると「穏やかな気質を保つ」ということですが、所有格が付くことで、誰が行動するかを明らかにします。 I was so annoyed with him that I found it difficult to keep my temper.(彼のことがとてもしゃくにさわったので私は平静を保つのが難しかった)(慶応)反意表現はlose one's temperです。I’m sorry for losing my temper. (ついかっとしてしまってごめんなさい) ちなみに、同根語にtemperature (気温、体温)があります。体温も気温も穏やかな方がいいというわけです。