theater :「手術室」という意味があります。かつて手術室には多くの医者の卵たちが集まって、あたかも劇場で芝居を見物するかのように手術を見学していたわけです。それで手術室のことをtheaterと言うようになったそうです。もっとも、これは京浜東北線で知り合ったあるイギリス人紳士の解釈ですが、なるほどなあと思いました。彼の解釈を聞いて、ずいぶん昔に見た映画を思い出しました。エドガー・ポーの小説『ウィリアム・ウィルソン』を映画化したものですが、そのなかに死体解剖の場面が出てきます。解剖室は、たしかに劇場のような、あるいは広く大きな講堂のような場所でした。Everybody is nervous when they come into a theater. (だれでも手術室に入るときには、緊張するものだ)  ”William Wilson”は傑作でした。どのテレビ局でもいいから、あの名画を放映してくれないかなあ。