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He is hopeful about the future. (彼は前途に希望を持っている)とかThe weather looks hopeful. (晴れそうだ)などのようにhopefulは「希望をもつ」とか「見込みがある」といった意味の形容詞ですが、「有能な人」「有望な人」という意味の名詞もあります。hopeを託された人といった感じでしょうか。本来形容詞だったものが名詞で使われるとちょっと違和感を感じたりしますが、英語は結局語順ですから、その辺りはいたって柔軟にできているようです。More than half a million hopefuls began taking college entrance exams. (50万以上の前途有望な若者が大学入試を受け始めた) The nonprofit foundation Mars One has decided on the final list of hopefuls to make a trip to the red planet. (非営利団体のマーズウワンは火星への旅行に行く候補者を最終的に絞り込んだ)
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wakeは名詞で「船が通った跡、航跡」の意味。そこからin the wake of は「~のすぐ跡を追って、~のすぐ後で」という「結果」の意味で用いられます。新聞記事などでよく見かけますから、どちらかといえば、文章で用いられることが多いと思います。簡単にいえば、soon afterということでしょう。Airport security has been tightened in the wake of the terrorist attacks. (テロ攻撃を受けて空港警備は強化された)普通に言えば、Airport security has been tightened soon after [as a result of ]the terrorist attacks.でしょうか。そういえば、 英国のチャールズ皇太子はダイアナ妃の死後カミラさんを向かい入れましたが、そのときの記事にCamilla should now be accepted as his partner in the wake of Princess Diana’s death.というのがありました。妻の事故死の後に愛人と結婚するというのも英国風なのでしょうか。Diana妃といえば、なぜだか分からないのですが、The Execution of Lady Jane Greyを思い浮かべてしまいます。
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cashはcaseと関係が深く、case(箱)に入れる現金というのが本来の意味だったそうです。だから「現金で」という場合、in cashというのかもしれません。ときに by cashも見かけたりしますが、「現金」そのものに重点があれば、in cash 、byを使うのは、手段や方法に重点が移るからでしょうか。たとえば、pay in cash (現金で支払う) pay by check (小切手で支払う) といった具合です。また実際に持ち歩いているカードなどいわゆる電子マネーを使って、といったニュアンスの場合には、withも使われています。Suicaで支払いをする、なんていう場合にはpay with Suicaでしょう。どことなくpresent A(人)with B(物)のwithをイメージさせます。The young man has just sold his kidney for $25,000 in cash. (その若者は、現金2万5000ドルで腎臓を売ったばかりだ) この文は臓器を売って暮らすアジアの若者に関する記事からの抜粋ですが、とても悲惨な内容でした。
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up for grabsはavailable for anyoneと英英は説明していました。availableですから、手に入るではなく、手に入れることができる、つまり可能性を述べる表現だということがわかります。誰でもgrab(つかむことが)できる可能性があるからgrabsと複数形で使うのだとALTは説明してくれましたが……。まだだれも手に入れていないボールが空中にある、というイメージなのだそうです。少しくどく言えば、そのボールを手にいれる(for grabs)チャンスがボールを手に入れたい人それぞれにあるから複数だとも言えそうです。大相撲の巴戦なんかをイメージしてみたらいいのかなとも思います。This job is up for grabs, now. 「今なら、仕事の口があります」I don’t know who will win. It’s up for grabs. (誰があたるかわからない。誰でも当てることが可能だ)
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You hit the nail on the head when you compared her to an angry tigress. を「あなたは彼女を怒ったメストラにたとえましたが、まさにぴったりでしたね」と訳してあったのを見て、上手い訳だなと感心したことを覚えています。 ここでは「まさにぴったり」と訳されているhit the nail on the headは、釘の頭を正確に打つということから比喩的に「核心をつく」とか「急所をつく」あるいは、ちょっと古いかもしれませんが「正鵠を射る」「的を射る」といった意味に発展したそうです。Mr. Smith is good at discussing generalities, but when it comes to specifics he never quite hits the nail on the head.(スミス氏は一般論はうまいが、個々のポイントになると、どうも要点がはっきりしない)(アメリカ口語辞典)
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a brand-new car(新車)とかbrand-new items (新品)などのようにbrand-newは物に言及するときの形容詞だと思い込んでいたので、人にも使われているのを発見しておやっと意外に思いました。それはペルーでの大洪水のさなか、奇跡的にa brand-new baby girlが誕生したという記事でしたが, A military helicopter rescued one woman just in time for her to give birth to a brand-new baby girl. (軍のヘリが一人の女性を救助し、彼女は女の赤ちゃんを出産するのにきりぎり間に合った)というものです。焼き印を押すburnedがbrandの由来だそうです。自分の家畜と他人の家畜を区別する意味から、「商標」などの意味に発展したようです。また、焼印を押されたばかりのということから「真新しい」といった意味も持つようになったと考えられます。焼印を押される牛や羊は、人間と同じ動物だということを再認識させられた感じです。ということで、人間も動物として扱うということに彼らはなんの違和感も抱かないということでしょう。
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What I have in mind is not big or luxurious. は「ぼくが考えているのは広いところや高級なところじゃないんだ」といった感じです。このhave ~ in mindは文字通り「心の中に、考えの中に、~を持っている」ということからbe thinking ofのような意味合いで使われます。 この文のような疑問文で用いられると、もっと詳しく知りたいといったニュアンスが強くなるのだそうです。Could you tell me what you have in mind? (君が考えていることを私に話してくれませんか) なお、keep[bear] ~ in mindは重要なことなので忘れないで覚えておくといったニュアンス。Bear [Keep] in mind that some places are dangerous for women traveling alone. (ひとり旅の女性にとって危険な場所もあるということを覚えておきなさい)(レクシス)いずれもin mindとなり、in my mindなどのように所有格はつきません。この成句のメインはあくまでhaveであり、in mindは付け足しだからです。in my mindのようにmindに所有格がつくと所有格の方に重心が移ってしまうので、この成句の場合には所有格はつけません。なおmindとheartについては、考えるところがmindで感動するところがheartと単純にとらえれています。Wordsworthの詩についてどんなに考えても暗唱はできません。ですから暗唱するのはlearn by heartなのだと。