You are always sitting on the fence.を「君って、煮え切らない奴だな」と訳したのがありましたが、ちょっと違和感を覚えました。というのも、日本語の「煮え切らない」はものが十分に煮えていないということから、ぐずぐずしている、中途半端だ、といったニュアンスがあるからです。この文に登場しているsit on the fenceはto delay making a decision (Cambridge Dictionary)ということですから、「決断を遅らせる」というのがコアの意味になります。イメージとしては、フェンスに座って右に行くべきか左に行くべきか決めかねている、といったかんじでしょうか。あるいはことの成り行きを見守っているといったかんじ。それで「煮え切らない」というよりも「どっちつかず」といったニュアンスが強いように思えます。The headmaster sat on the fence during the dispute between parents and teachers. (校長は教師と親たちとの激論中にどっちつかずの態度をとった) なお「中立的な立場で物事を眺めるひと」のことをfence-sitterといいますが、成り立ちは同じです。Cartoonists are great fence-sitters. (漫画家はまさしく傍観者なのです) このようにsit on the fenceはネガティブではなくニュートラルに捉えたほうがいいようです。